サムスン創業者の遺産争い 泥仕合の様相
【ソウル聯合ニュース】サムスングループを創業した故李秉チョル(イ・ビョンチョル)氏の遺産相続をめぐる長男の孟熙(メンヒ)氏と三男でサムスン電子会長の健熙(ゴンヒ)氏による法廷での争いが更に激しくなる様相をみせている。
8月の控訴審初弁論で裁判長は「兄弟の争いが国民に失望を与える」として和解を勧めたが両者は裁判直後に相手の主張に反論する報道資料を配布するなど争う姿勢をみせた。
5日にソウル高裁で開かれた3回目の弁論で健熙氏側は孟熙氏が1993年に出版した自叙伝を裁判所に証拠として提出した。
健熙氏側は、孟熙氏が自叙伝の中でサムスンの後継者として父親が健熙氏を指名したことを認めているとし、「私(孟熙氏)は後継者としてだけでなく遺産分配でも徹底的に排除された」と記していると強調した。孟熙氏が健熙氏の単独相続を認めていたにもかかわらず、後から訴訟を起したという主張だ。
孟熙氏側はこれに対し「自叙伝出版当時、息子であるCJグループの李在賢(イ・ジェヒョン)会長のことを健熙氏が面倒を見てくれると信じていたため、健熙氏が安心して経営を行えるように配慮したもの」と反論した。そして「世の中のすべての自叙伝が真実だとは限らない」として、当時の状況を考えるべきだと主張した。
両者は1時間30分に及ぶ主張の中で各種の判例を提示し、一歩も譲らない態度をみせた。第三者名義の財産の存在に関する認識、除斥期間が経過したか否かなど争点は1審と類似していた。
尹駿(ユン・ジュン)部長判事はそれぞれの代理人に対し、和解への説得を行っているのかを尋ね、「裁判中であっても、事件を一族の中で円満に解決できるように努力してほしい」と述べ、再び和解を勧めた。しかし両者は和解の兆候をみせなかった。裁判後は弁護士が直接報道資料を配り、質問を受けるなど、珍しい光景が繰り広げられた。
yugiri@yna.co.kr