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韓国庶民金融業界 日本からの資本流入が急速拡大

記事一覧 2014.11.16 11:38

【ソウル聯合ニュース】超低金利下の日本からの資金が韓国に流れ込んでいる。貸金業、貯蓄銀行など庶民金融分野は既に日系資本の流入が急速に拡大した状態だ。

 最近は日本の年金基金が投資戦略を修正し、日本からの資本流入がさらに加速しそうだ。このため、高金利の庶民金融分野を掌握している日本資本による収益極大化を警戒すべきだとの声が高まっている。日本の年金基金が戦略を再び修正したときに生じかねない急激な資本流出のリスクにも備える必要があるとの指摘も出ている。

◇日系資金の急速な拡大

 韓国金融界によると、経営が行き詰った貯蓄銀行のうち5行は、構造調整の過程で日系資本に買収され営業中だ。

 2010年末に日本のオリックスグループがプルン2貯蓄銀行(現OSB貯蓄銀行)を買収したのをはじめ、昨年SBIグループが業界トップだった現代スイス貯蓄銀行と系列会社を買収しSBI貯蓄銀行を設立した。このほか、スマイル貯蓄銀行(オリックス)、親愛貯蓄銀行(Jトラスト)、OK貯蓄銀行(アフロサービスグループ)も日系資本が運営している。

 特にJトラストは最近韓国で業界2位のキャピタル会社、アジュキャピタルの売却に向けた優先交渉対象者に選ばれ、さらに規模を拡大している。Jトラストは6月に韓国スタンダードチャタード貯蓄銀行とSCスタンダードチャタードキャピタルを買収し、当局の承認を待っている。

 消費者金融までを含めると、韓国の庶民金融市場は既に日系資本の手に渡った状態だ。昨年末現在、資産100億ウォン(約10億6000万円)以上の韓国内の消費者金融98社のうち日系企業は21社(21.4%)。日系企業の貸付金額は約4兆9700億ウォン(56.2%)で、韓国系企業74社の3兆5600億ウォン(40.2%)を上回った。

 貯蓄銀行業界の関係者は「不動産プロジェクトファイナンシング投資で経営が悪化した貯蓄銀行の構造調整の過程で、国内の買収者が現れず、超低金利で資金を調達できる日系資本が押し寄せた」と話している。

◇日本年金基金の資金も株式市場に流入

 世界最大規模の日本の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は高齢化に備えた収益率の向上に向け先月末に海外資産投資の割合を12%から25%に大幅に引き上げることを決定した。

 GPIFの資金規模は127兆円。韓国金融界は、GPIFの戦略修正に伴い今後1兆7000億ウォンに上る同法人の資金が韓国株式市場に新たに流入すると予想している。先月末までに流入した3兆4000億ウォンを合わせると流入額は5兆ウォンを超える見通しだ。

 日本の年金基金の資金流入はこれにとどまらないとみられる。日本の別の年金基金や保険会社もGPIFに続いて韓国株式への投資額を増やす可能性が高い。

◇円キャリー取引で日本資金流入

 日本の年金基金の海外投資拡大をはじめ、低金利の円を借りて高金利の外国通貨で運用する「円キャリー取引」による韓国市場への日本資金流入も本格化する見通しだ。

 ウリィ投資証券の研究員は「円キャリー取引が活性化するには日本国内で低金利、円安への期待感、豊富な流動性、海外投資拡大という4条件が満たされなければならない」と説明。「アベノミクス実施直後とは異なり現在は日本国内の流動性増大と投資拡大により4条件が全て満たされた状態」と分析する。

 少ない資金で多額の外貨売買ができる外国為替証拠金取引(FX)を手がける個人投資家たち、通称「ミセス・ワタナベ」が活動する条件が整ったとの説明だ。

 年金基金とは異なり円キャリー取引の資金は流入規模を正確に推計するのが難しいものの、円安期待が続く限り、韓国株式市場への流入が続くことが期待される。

 一方、日本国内の超低金利を背景に日本の市中銀行による韓国市場への直接貸付の増加が続く見通しだ。韓国金融監督院の資料によると、三菱東京UFJ、みずほ、三井住友の3大メガバンクの韓国支店への貸出額は2009年の計4兆4000億ウォンから13年には8兆4000億ウォンと、4年で倍増した。

◇日系金融機関の高金利貸付に懸念

 日本資金の韓国流入増加に対する懸念も出始めている。

 日系金融機関が経営不振に陥った韓国の貯蓄銀行を買収したことで、雇用を維持し公的資金投入による負担を抑えられる点は日本資本流入のプラス側面として捉えられる。一方、高金利による貸し付けや債権回収など高収益事業に偏っていると指摘される。

 最大野党・新政治民主連合の金起式(キム・ギシク)国会議員が金融監督院から提出を受けた国政監査資料によると、日系金融機関3社と韓国2社が買収した貯蓄銀行5行の買収後の個人向け融資額は219%増と急増した。貸付額全体の89%が貸付金利25%以上の高金利だった。一方で与信額は16%減少した。

 金議員は「貸付業者らは貯蓄銀行買収の条件として金利15~20%台の融資商品を発売するとしていたが実際は守られていない」と指摘。「大手貸付業者による貯蓄銀行買収を許可し、貯蓄銀行を庶民融資の金融機関へ育成するとの金融当局の政策が面目を失ったかっこうだ」と批判した。韓国金融消費者院は公的資金負担を減らすため安易に日系金融機関に貯蓄銀行を任せた金融当局の責任は大きいと指摘する。

 また、日本の年金基金資金の韓国株式市場流入も手放しでは喜べない状況だ。

 長期投資が基本の年金基金資金の流入は停滞している韓国株式市場に活力を与えるとして歓迎される一方、今後の戦略修正による資金流出のリスクもある。

 韓国国際金融センターの研究員は、GPIFが運用指標として採用するMSCI指標で韓国の割合が縮小したり、戦略が変更されたりすれば大規模な資金流出が起こる可能性があると懸念。「GPIFなどの基金の規模が非常に大きいため、政策の変化による突然の資金移動のリスクに備える必要がある」と指摘した。

hjc@yna.co.kr

ikasumi@yna.co.kr

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