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ヘイトスピーチ法成立 在日と日本人の努力が結実

記事一覧 2016.05.24 18:04

【東京聯合ニュース】特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)をなくすための対策法が24日に日本で成立した。禁止規定や罰則がないなど限界が指摘されるものの、在日コリアンの暮らしを脅かす「嫌韓デモ」の根絶に向け、第一歩を踏み出したと評価される。

 成立の裏には在日コリアンや良識ある日本人の粘り強い努力があった。

◇放置され続けたヘイトスピーチ

 10年以上前に始まったとされる在日コリアンに対するヘイトスピーチは、日本社会の無関心や韓日関係の冷え込みもあり、放置されてきた。

 朝日新聞が24日に報じた法務省の統計によると、2012年4月から15年9月にかけて日本全国で確認されたヘイトスピーチのデモや街頭宣伝は1152件で、昨年1年間では約250件に上ると試算される。

 「在日特権を許さない市民の会」(在特会)などのメンバーは週末のたびに東京・新大久保のコリアンタウンなどに集まり、不特定多数の在日コリアンに向かい「死ね」などの罵声を浴びせているが、在日コリアンたちは打つ手がなかった。対策法の成立により、こうしたデモの勢いが弱まることが期待される。

◇在日コリアンと良識ある日本人の努力が結実

 同法が成立するまでには、在日コリアンや一部の日本人の長い闘いがあった。

 在日本大韓民国民団(民団)はここ2~3年、ヘイトスピーチの根絶を最大の目標に掲げ、全国の組織ネットワークを活用して地方議会や国会に対策法整備の必要性を訴え続けてきた。

 在日コリアン弁護士協会(LAZAK)も、日本政府に対し人種差別と排外主義の根絶に向け効果的な対策を取るよう求める声明を出すなど、積極的な活動を行ってきた。同協会の金竜介代表は対策法の可決・成立を受けて、「今後どのように法律を生かしていくかが重要。(同法を)大いに使い、現状を変えていきたい」と話す。

 また、ヘイトスピーチ問題に取り組む師岡康子弁護士は法の制定を繰り返し訴えてきた。在特会の取材に当たってきたジャーナリストの安田浩一氏は著書で在日コリアン差別に対する日本社会の自覚を促した。

 こうした状況を受け、旧民主、社民両党などは昨年、ヘイトスピーチ対策法案を初めて国会に提出。安倍政権があいまいな姿勢を見せたため成立には至らなかったものの、ヘイトスピーチに対する問題意識は日本社会に次第に広がった。

 そうした最中の今年1月、大阪市議会で初めてヘイトスピーチを規制する条例が成立したことも中央政界を動かすきっかけになった。

 安倍晋三首相は3月、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット、5月26~27日)を控え国会でヘイトスピーチについて問われ「国民、日本国の品格に関わる」「(日本で)排外主義的行為が行われているという印象を(主要国首脳に)持たれては大変なことになる」と述べ、対策に乗り出す可能性を示唆した。

 自民、公明両党は先月、与党案を提出し、野党の修正要求を一部受け入れながら法案審議を迅速に進め、今国会で成立させた。

◇罰則なく実効性を疑問視する声も

 成立した対策法は罰則のない、いわゆる「理念法」に当たるため、象徴的な効果に対する期待と実質的な抑止効果に対する懐疑的な見方が入り混じる。

 同法は「適法に日本に居住する日本以外の出身者や子孫」を対象に、差別意識を助長する目的で、生命や身体、名誉、財産に危害を加える旨を告知したり、著しく侮蔑したりすることを不当な差別的言動と定義し、これら行為について「許されない」と明記した。ヘイトスピーチを「間違ったこと」と明確にしたことで、在特会などの団体がデモの同調者を増やすのを阻む効果があるとみられる。

 また、同法が国や自治体に相談体制や教育、啓発活動の充実を求めていることも、ヘイトスピーチに対する認識の広がりに役立つとみられる。

 一方で、ヘイトスピーチを「違法」と規定しておらず、禁止規定や罰則もないため、実効性を疑問視する声も少なくない。民団は法案が参議院本会議で可決された今月13日、最低限の要望事項としていたヘイトスピーチの「禁止」という単語が盛り込まれていないことに遺憾の意を示した。

stomo@yna.co.kr

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