韓国入りの脱北者数が増加 金正恩体制で初めて
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2016.06.05 11:01
【ソウル聯合ニュース】韓国統一部によると、今年1~5月に韓国入りした北朝鮮脱出住民(脱北者)は約590人で、前年同期に比べ16%増加した。北朝鮮で2011年末に金正恩(キム・ジョンウン)体制が発足してから韓国にやってきた脱北者が増加するのは初めて。今年になって北朝鮮が強行した核実験と長距離弾道ミサイル発射によって国際社会から厳しい経済制裁を受けていることが背景にあるとみられる。
韓国入りした脱北者は09年に年間2914人だったが、11年に2706人に減少。翌12年は1502人に大きく減った。その後も、昨年まで毎年減少し、昨年は1026人だった。
脱北者の減少は北朝鮮の経済状況がやや好転したことに加え、金正恩体制が脱北防止のために国境管理などを厳重にし、脱北を手助けした者も厳しく罰するようになったためとみられる。
しかし今年に入ってからは、北朝鮮が中国・寧波で運営していたレストランの従業員13人が4月に集団脱出し韓国入りしたほか、先月には中国・陜西省のレストランの従業員3人も脱北した。
北朝鮮は4回目核実験とミサイル発射による国際社会からの制裁強化でダメージを受けており、海外労働者の本国への外貨上納のノルマを厳しくしたことがエリート層の脱北を生んでいると指摘される。また昨年10月の朝鮮労働党創建70年の記念行事や先月の第7回党大会の開催が住民の暮らしを圧迫し、脱北に拍車をかけているとされる。
sarangni@yna.co.kr