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中国漁船の違法操業が激増 強硬対応強いられる被害国

記事一覧 2016.06.13 14:24

【北京聯合ニュース】中国漁船による違法操業が黄海や東シナ海、南シナ海のほかにもインド洋、アフリカ沖の漁場にまで広がっている。

 被害国は違法操業を繰り返す中国漁船に対し、漁船の拿捕(だほ)や罰金を科すことで強く対応する意思を示しているが、状況が改善される気配はない。

 中国政府は自国船による違法操業が問題になるたびに漁業従事者への教育や管理の強化を約束してきたが、法律による取り締まりには及び腰だ。

 ◇中国漁船の違法操業、世界各地で茶飯事に

 中国漁船による違法操業は日常的に起きている。韓国のほか台湾、日本、ベトナム、フィリピンなどでも排他的経済水域(EEZ)に侵入し違法操業を行った中国漁船の乗組員を拘束し釈放する事件が繰り返されている。

 東シナ海や南シナ海で行われている中国漁船の違法操業問題は、領有権問題も絡み外交問題にまで発展している。

 2014年5月には、フィリピンのEEZで違法操業を行った疑いでフィリピン警察に拘束された中国漁師11人に対する扱いをめぐり中国とフィリピンが外交戦を繰り広げた。

 数年前からはアフリカや南米沖にも中国漁船が出没し周辺諸国を緊張させている。

 南アフリカはこのほど、違法操業とEEZへの侵入の容疑で3隻の中国漁船の乗組員約100人を逮捕した。船からはイカが約600トン見つかった。

 英BBC放送は環境保護団体グリーンピースの報告書を引用し、アフリカ沖で操業する中国漁船が1985年には約10隻だったが近年では約500隻に増えたと伝えた。

 漁業資源を奪われている国々は軍事作戦レベルの強硬対応に乗り出している。

 海外メディアは今年4月、中国と漁業権をめぐって対立しているインドネシアがこのほど、南シナ海近くの島にF16戦闘機5機を配備したと報じた。

 インドネシアは4月、違法操業を行ったベトナム漁船13隻とマレーシア漁船10隻を爆破し、同じく違法操業を繰り返す中国漁船を威嚇した。

 また、アルゼンチン海軍は3月、違法操業の取り締まりに強く抵抗した中国の底引き網漁船を撃沈した。

 アルゼンチン海軍によると、この中国漁船はEEZで違法操業を行っただけでなく、警告を無視して警備艇に突進し武力で抵抗したという。

 中国と友好的な関係にあるロシアも12年8月、違法操業を行った中国漁船に艦砲射撃を行った。

 当時、ロシアのEEZ内で違法操業していた中国漁船4隻はロシア警備艇の停船命令を無視し逃走しようとしたため艦砲射撃を受け、その過程で乗組員1人が行方不明となった。

 一部の国では違法操業を行った中国漁船に対し数十億ウォン(数億円)から数百億ウォンの罰金を科している。

 ◇命がけの中国違法操業漁船、なぜ減らない?

 中国漁船が違法操業を繰り返す根本的な理由は、中国内で水産物の需要が急増していることに加え、中国周辺海域で漁業資源が枯渇しているためだ。

 中国漁船の数は10年末現在、100万隻まで増加しており、漁師の数は3000万人に達するとみられる。

 中国漁船間での競争が激しくなっていることに伴い、中国周辺海域の漁業資源は深刻な状況に陥っている。

 違法操業を行う漁業従事者は中国沿岸での操業では人件費や燃料費がまかなえないとして、危険を承知で漁業資源が豊富な周辺国の漁場に入っている。

 こうした背景から韓国近海は中国の漁師にとって地理的に近く水揚げも期待できる好漁場となった。

 傍若無人な操業を続ける中国漁船に対し、中国政府が手をこまねいているわけではない。

 中国当局は自国の漁師に対し国際法や他国の法律を順守するよう教育を行い、地方政府と合同で取り締まりを行ってきた。

 中国当局は13年2月、自国の漁船が他国のEEZから3キロ以内の水域に入ることを禁じる規定を策定し施行した。

 また、韓国との間で人命救助や違法操業などの海洋事件・事故に迅速に対応するための「24時間非常連絡協調システム」(ホットライン)を構築し、違法操業の根絶につながると期待を集めた。

 しかし、こうした違法操業への対応措置が現実的に効果を上げるのは難しい状況だ。

 管理対象海域が広範囲に及ぶほか、漁業従事者の生活に直結する問題であることから中国政府が強力な対応に乗り出すことに消極的なためだ。

 中国外務省は12日、韓国軍と海洋警察、国連軍司令部が中国漁船を取り締まる合同作戦を実施したことについて、漁業従事者への教育の強化や韓国との違法漁船取り締まりで協力を行うとしながら、韓国側の対応を尊重するという見解を示した。

 ただ、韓国に対し「文明的で理想的な法執行活動」を求め、「中国の漁業従事者の合理的な権利」にも言及した。

sjp@yna.co.kr

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