中国漁船への不満高まる 違法操業の罰則強化を=韓国
中国漁船への不満高まる 違法操業の罰則強化を=韓国

仁川海洋警備安全署は、仁川・小青島沖で23日に拿捕(だほ)した違法操業の中国漁船の船内から覚せい剤と吸入器が見つかったと発表した。押収した覚せい剤と吸入器=24日、仁川(聯合ニュース)
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【ソウル聯合ニュース】韓国の漁業に大きな被害を与えている中国漁船による違法操業に対し、罰則を強化すべきとの声が上がっている。韓国の漁師らは摘発した中国漁船に課す担保金が安いことなどを挙げ、役に立っていないと主張している。

韓国当局が南北軍事境界線に近い黄海上の漢江河口の中立水域で違法操業する中国漁船2隻を拿捕(だほ)した。韓国当局は10日から同水域で中国漁船を退去させるための作戦を行っている。写真は拘束された中国漁船の船員たち=15日、仁川(聯合ニュース)
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韓国水協中央会によると、現在、違法操業して摘発された漁船から徴収する担保金は船舶100トン以上が1億5000万ウォン(約1300万円)以上、99~50トンが1億3000万ウォン以上、50トン未満が1億ウォン以上などで、上限は2億ウォンとなっている。
担保金は違法操業で拿捕(だほ)した中国漁船を返還する前に徴収するもので、一種の罰金にあたる。

韓国当局が南北軍事境界線に近い黄海上の漢江河口の中立水域で違法操業する中国漁船2隻を拿捕(だほ)した。韓国当局は10日から同水域で中国漁船を退去させるための作戦を行っている。韓国軍合同参謀本部は「中国漁船が完全に退去するまで作戦を続ける」としている=15日、仁川(聯合ニュース)
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ブラジルでは無許可で操業した漁船に対し最大169億ウォンを課し、インドネシアでは18億ウォン以下の罰金または6年以下の懲役など重い罰が与えられるが、韓国の場合、担保金の上限が低いため、罰としての効果がないとの漁業従事者は主張している。
実際、昨年2月に中国漁船の違法操業を防ぐため、担保金の限度額が2億ウォンに引き上げられたが、拿捕された中国漁船は2014年の341隻から15年には568隻にかえって増えた。
昨年末を基準とし、摘発されていない漁船まで含めると、1日平均740隻が違法操業していると予想される。

仁川海洋警備安全署と海軍は11日午後、黄海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)を侵犯し、韓国側海域で違法操業を行っていた中国漁船1隻を拿捕(だほ)した。漁船は取り締まりのために乗船した海洋警備安全署の隊員たちを乗せたまま北朝鮮側に約1キロ脱走していたという(同署提供)=12日、ソウル(聯合ニュース)
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中国漁船は網目の細かい網を利用し稚魚まで逃さずに捕獲するほか、韓国では禁止されている漁具を使用して貝類などを捕獲しているため、漁場の荒廃が進んでいる。さらに韓国の漁師が漁場に設置した漁具を壊したり、盗難したりすることもあり、深刻な被害が出ている。
中国漁船による違法操業により発生する水産部門の被害は年間約1兆3000億ウォンに達するとの研究結果もある。
水協は中国漁船による違法操業を根絶するためには違法操業漁船の没収や廃船など、今よりも強力な処罰をし、担保金の限度額を引き上げる必要があるとした上で、徴収した担保金は被害に遭った漁師の補償に活用しなければならないと強調した。
yugiri@yna.co.kr