韓国軍が最前線に拡声器を増設 北朝鮮への報復措置
韓国軍が最前線に拡声器を増設 北朝鮮への報復措置

南北軍事境界線がある板門店の共同警備区域(JSA)。北朝鮮の4回目核実験やミサイル発射実験などで南北関係が冷え込んでから、北朝鮮はJSAでも拡声器による宣伝放送を行っているという(提供写真)=9日、ソウル(聯合ニュース)
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【ソウル聯合ニュース】北朝鮮による核実験やミサイルの試射など相次ぐ挑発に対する報復の一環として、韓国軍が最前線地域に北朝鮮向けの拡声器設備を約10カ所増設することが6日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。

北朝鮮が核実験を強行した対抗措置として、韓国軍が拡声器を使った北朝鮮向け宣伝放送を再開したことに伴い、南北軍事境界線付近の京畿道坡州市にある烏頭山統一展望台は臨時休業となった。休業を知らせる看板が立つ展望台の入口=8日、坡州(聯合ニュース)
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現在、固定式の拡声器放送設備は11カ所に設置されており、年末までに約10カ所増設される。また現在、5~6台運用している移動式の拡声器放送車両も2倍に拡大する予定という。
拡声器放送設備が2倍に増えれば、最前線の北朝鮮軍部隊や北朝鮮住民に対する心理的な揺さぶりもさらに効果を増す見通しだ。
軍当局はこのために4月に固定式拡声器24台と移動式拡声器16台の入札公告を出し、同月に国内業者の製品を選定した。

北朝鮮の4回目核実験への対抗措置として、韓国軍は8日正午に最前線部隊11カ所で拡声器を使った北朝鮮向け宣伝放送を再開した。拡声器を作動する韓国軍兵士。韓国軍は南北高官協議の合意に基づき、昨年8月25日から宣伝放送を中止していた(写真共同取材団)=8日、ソウル(聯合ニュース)
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新たに設置される固定式拡声器は10キロ以上離れた場所からも音が鮮明に聞こえるもので、これまでより高性能のもの。移動式拡声器も従来の性能を上回るという。
政府関係者は、拡声器の数を2倍に増やすのは、北朝鮮による核開発やミサイル発射などの威嚇に対する報復と説明した。
別の関係者は「特に金正恩(キム・ジョンウン)政権ができるはずのない核開発と経済開発の並進路線を前面に打ち出し、住民の生活と国の経済をさらに泥沼に落とす現実を北の軍や住民たちに正確に知らせようとする趣旨もある」と伝えた。
また放送内容についても、金正恩政権に対する批判のレベルを上げ、分量も増やして新たに制作するという。
yugiri@yna.co.kr