韓国国立外交院 在日韓国人テーマに学術会議開催
【ソウル聯合ニュース】韓国外交部傘下の国立外交院は12日、ソウル市内で「韓日関係における在日韓国人」をテーマに国際学術会議を開催した。
会議では横浜国立大の柳赫秀(ユ・ヒョクス)教授が特別講演を行い、外国人に対して排他的な傾向が強い日本で在日コリアンがアイデンティティーを維持して生きていくためには、同胞社会が団結して日本の政策改善を誘導していかなければならないと指摘した。
柳教授は「在日コリアンが5世、6世となっていく中で、現地化しているにもかかわらず、多くの人が韓国国籍で暮らしているのは、差別に屈服して帰化したくないという理由からだ」とした上で、「また、通名を使って帰化をしても、韓国系ということを堂々と明らかにすることができないなど、『見えない存在』として生きるしかないのは、単一民族主義の傾向が強い日本の排他性のため」と主張した。
また日本にはオールドカマーと呼ばれる特別永住者が35万人、1980年代以降に渡日したニューカマーが15万人、帰化した人が35万人、韓国人と日本人の間に生まれた日本国籍の子どもが数十万人いるとされているが、特別永住者中心の在日本大韓民国民団(民団)のほかは組織化されておらず、日本の変化を引き出すのは難しい状況にあると説明した。
その上で、少子高齢化が進む日本が外国人を受け入れ共生していくためには、外国人への地方参政権付与など、政策的な変化が必要と指摘。韓国系の住民が団結して、変化を促さなければならないと強調した。
在外韓人学会の崔永鎬(チェ・ヨンホ)会長は「民団には限界があるというが現実的に在日コリアン社会を代表してきたことを認め、これを中心に一つになろうとする努力が必要だ」と指摘した。
東京大の外村大教授は、在日コリアンの存在は日本が多民族社会であるという事実を見せる最も確実な証拠とした上で、同胞社会が多文化との共生を目指すように助けたことはもちろん、様々な方面で社会の発展に尽くしてきた事実を積極的に知らせる努力が必要だと提言した。
元駐神戸総領事の李成権(イ・サングォン)氏は「在日同胞社会の望ましい未来のためには、故国指向から定住指向に変わった次世代に対する韓国政府の政策変化と、民団組織の革新が重要だ」と話した。
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