競泳の朴泰桓 政府高官の圧力にも「五輪出たかった」
【東京聯合ニュース】北京五輪競泳男子400メートル自由形金メダリストで、今夏のリオデジャネイロ五輪に韓国代表として出場した朴泰桓(パク・テファン)氏は21日、金鍾(キム・ジョン)前文化体育観光部次官からリオ五輪の出場断念を求められたとする問題に関し、「(金氏が次官という)高い地位にある方で怖さを感じたが、五輪に出たいという思いしかなかった」と当時の心境を明かした。
朴氏側はこのほど、金氏が5月25日に朴氏の所属事務所関係者、大韓体育会(韓国オリンピック委員会)関係者との会合で、「五輪出場をあきらめれば、企業スポンサーとの間を取り持つが、出場にこだわるなら不利益を与える」と発言していたことを明らかにした。公開した録音記録によると、金氏は「(企業スポンサー)そんなものは私が約束することができる」「(母校の)檀国大の教授をすべきではないのか、教授になって初めて何かできる」などの言葉で朴氏を懐柔しようとした。
朴氏は21日、前日まで競泳の大会が開かれていた東京都内で記者団を前に、初めてこの問題に触れた。朴氏は「企業スポンサーや大学教授といった話が出たが、耳に入らなかった。五輪に出なければならないのに、どうすれば出られるのか、そればかり考えていた」と振り返った。リオ五輪での低調な成績については「言い訳をしたくない」としながらも、「最高のコンディションで臨むべきところを、水泳以外に考えることが多すぎた」と、金氏の圧力が影響したことをほのめかした。
朴氏は2014年9月に国際水泳連盟(FINA)が実施したドーピング検査で陽性反応が確認され、資格停止処分を受けた。今年3月に処分が明けたものの、大韓体育会の規定によりリオ五輪の代表には選出されなかった。スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴した結果、五輪開催1カ月前にリオ行きが確定したが、練習不足で五輪では結果を残せなかった。
今月17~20日に東京で開催されたアジア水泳選手権大会では4種目で優勝した。
一方、金氏は朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入など一連の疑惑に絡み検察の聴取を受けている。
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