正恩氏の自己批判は大規模な「粛清予告」=韓国研究機関
【ソウル聯合ニュース】韓国の情報機関、国家情報院傘下の国家安保戦略研究院は4日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が「新年の辞」で最高指導者としては異例の自己批判をしたことについて、「党・政・軍内部の大規模な整風運動(1940年代に中国で行われた粛清運動)を予告したものだ」と分析し、国際社会の制裁にもかかわらず、核保有国の地位を確保することにすべてをかけることを強調したと評価した。
金委員長は1日の新年演説で、「いつも気持ちだけで、能力が伴わないもどかしさと自責の中で、昨年1年を過ごした」と述べるなど、自己批判的な発言をした。
研究院は「金正恩が慢性的な経済難や無理な動員体制による民意の動揺に対し大きな負担を感じており、高まっている住民の不満を解消できる新しいアプローチ方法を悩んでいることを見せつけている」と説明した。
金委員長は新たな指導者になった5年前、「人民が二度とベルトを締め付けない(飢えない)ようにする」と明言したが、核開発への執着や国際社会の制裁により、北朝鮮住民の生活はさらに悪化している。
研究院は「こうした現実を認めざるを得ない状況で金正恩自身が先に自責する姿を見せ、幹部の自己批判を誘導し、大々的な粛清と交代、すなわち整風運動を展開する意図を示したもの」と指摘。その上で、「これまでの不振な実績を、無能な幹部のせいにし、大々的な粛清と交代を通じ、広範囲な世代交代を推進していく」との見方を示した。
金委員長が核・ミサイル能力の高度化を強調したことについては、「対内外の情勢変化と関係なく、技術的な準備が整い次第、6回目の核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)、(中距離弾道ミサイル)ムスダン、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射実験など、さまざまな形で挑発を強行する」と予想した。
挑発の時期に関しては、「新年の辞で強調した韓米合同軍事演習の時期(3月前後)や、米トランプ政権の対北政策が具体化し韓国大統領選が本格化する8~9月ごろを注目する必要がある」と分析した。8~9月には米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」配備が実質的に推進されるほか、韓米合同指揮所演習「乙支フリーダムガーディアン」(UFG)も予定されている。
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