潘基文氏の帰国歓迎行事どうする? 韓国政府が対応に苦慮
潘基文氏の帰国歓迎行事どうする? 韓国政府が対応に苦慮

来年末の韓国大統領選の有力候補の一人とされる潘基文(パン・ギムン)国連事務総長を支援する民間団体「バンディップリ」(日本語で蛍)の設立総会が行われた。年末に任期を終える潘氏が帰国後、大統領選候補として活動できる基盤を整えることを目指している=10日、ソウル(聯合ニュース)
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【ソウル聯合ニュース】潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長の帰国が2日後に迫る中、帰国歓迎会の開催を検討するとしていた韓国外交部が慎重な姿勢に転じた。

国連総会に出席するため米ニューヨークを訪問中の李容浩(リ・ヨンホ)北朝鮮外相(左)が国連本部を訪れ、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長と握手している。李外相は近く行う国連総会の演説で、北朝鮮の核開発や弾道ミサイル発射の正当性を主張するとみられる=21日、ニューヨーク(聯合ニュース)
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外交部当局者は10日、潘氏の帰国歓迎会などについて決定したことは何もないとしたうえで、「まだ尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官との面談日程なども決まっていない状況」と明らかにした。 潘氏側からの要請も特にないという。

国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長(前列中央)が慶尚北道安東市の河回村を訪れた。河回村は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録されている=29日、安東(聯合ニュース)
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外交部の別の関係者は「潘前国連事務総長側から公式に要請があれば、その範囲内で支援することになるものとみられる」としながら、現在の状況では潘氏側が支援を負担に感じているようだと説明した。
外交部は5日、潘氏の帰国歓迎会について、「韓国人として初めて国連のトップに立ち、多くの業績を残して帰国する潘前国連事務総長を歓迎する適切な方法を検討している」として、大統領権限代行、国会議長、大法院(最高裁)長との面談などを用意する予定と説明した。

国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長(左)と黄教安(ファン・ギョアン)首相が、南部・済州島で開かれた東アジアの多国間協力などを話し合う第11回済州フォーラムの会場で面談した=26日、西帰浦(聯合ニュース)
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尹長官も2日、記者団に対し、国連事務総長として国際社会の平和と安定に寄与した潘氏の帰国歓迎会を「何らかの形で行う考えはある」と述べた。
そんな外交部が慎重な姿勢に転じたのは、韓国次期大統領選の有力候補に目されている潘氏に対する歓迎行事が政治問題に発展する可能性があるという内外からの指摘を意識したものとみられる。
最大野党、共に民主党は潘氏の帰国歓迎会などを外交部が行うことについて、「大統領選挙への介入」につながる可能性があるなどと指摘し、撤回するよう求めた。
また韓国政府は現在、中国や日本との外交問題を抱えていることに加え、不透明感の高いトランプ米次期政権が20日に発足することに備える必要がある。さらに北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験準備が「最終段階にある」と表明するなど4方向からの問題に直面しており、潘氏の帰国歓迎会を準備するのは現実的に難しいとの見方も出ている。
yugiri@yna.co.kr