米国の優位下で中日ロが軍備増強競争 韓国国防白書
【ソウル聯合ニュース】朝鮮半島を取り巻く国々が、軍事面で核戦力や攻撃戦力を増強する方向に向かっていることが、韓国国防部の「2016年版国防白書」で明らかになった。
11日に発刊された白書は「北東アジアの国々は軍事的優位と影響力を拡大するため、軍事力を増強している」とし、経済分野での協力や相互依存は強まっている一方、安全保障分野ではハイレベルな協力に至っていないという「アジア・パラドックス」現象が続いていると評価した。
白書によると、米国は従来の軍事的優位を維持しており、中国と日本、ロシアは海軍・空軍力を中心に軍事力を競って増強している。
米国はアジア・太平洋地域への海・空軍戦力の60%配備を推進し、域内のミサイル防衛(MD)システムを強化している。F22、F35などのステルス戦闘機、P8哨戒機、バージニア級(7900トン級)原子力潜水艦など海・空軍の先端戦力を同地域に配備している。
陸軍兵力は今年9月までに50万人から46万人水準に削減する一方、海軍は20年までに艦艇の保有数を増やし、アジア・太平洋地域に増強する計画だ。空軍も次世代戦闘機、空中給油機、輸送機、長距離ステルス機の獲得に力を入れている。
米国の国防費は5975億ドル(約69兆円)で、兵力約138万1000人、戦闘(爆撃)機2047機、航空母艦(空母)10隻、潜水艦71隻などを保有する。
日本は陸海空の自衛隊戦力をそろって増強している。陸上自衛隊は島しょ部の監視のため、尖閣諸島近隣の島に沿岸監視隊を配備し、水陸両用作戦を担う水陸機動団の創設を推進している。海上自衛隊は23年までにいずも型(1万9500トン級)護衛艦などと潜水艦の戦力を増強する。弾道ミサイルの防衛力を上げるため、イージス艦を現在の6隻から8隻に増やす計画だ。航空自衛隊はF35戦闘機、新型早期警戒機、グローバルホークなどの無人偵察機、垂直離着陸機、新型空中給油機、輸送機などを戦力化している。
日本の戦力は国防費410億ドル、兵力約24万7000人、戦闘(爆撃)機348機、潜水艦18隻など。
中国は軍事力の革新と軍の構造改善に打ち込んでいる。射程8000キロ以上の弾道ミサイルを搭載した戦略原子力潜水艦4隻、潜水艦を含む艦艇約870隻を運用しており、J15艦載機約20機を搭載できる空母「遼寧」を戦力化し、数隻の空母も独自開発していると分析された。空軍も早期警戒、空中攻撃、空中・ミサイル防衛、総合支援などの能力向上に力を入れているとされる。
中国は現在、約3000機の軍用機を保有している。また、射程8000キロの大陸間弾道ミサイル(ICBM)、複数の弾頭を搭載できる射程1万5000キロのICBMなど、約500基もの戦略ミサイルを配備している。さらに新型ICBMも開発中だ。
中国の戦力は国防費1458億ドル、兵力約233万3000人、戦闘(爆撃)機1588機、空母1隻、潜水艦65隻などとなっている。
ロシアは核戦力を増強し、ステルス戦闘機と新型ミサイルの開発を進めると同時に航空宇宙戦力も強化している。
15年には北極地域の島への上陸訓練を初めて実施し、北極海地域に対する実効支配を強めている。潜在的な航空宇宙攻撃に迅速かつ効果的に対応するとして、同年に空軍と航空宇宙防衛部隊を統合して航空宇宙軍を創設した。
戦略ミサイル軍は常時の戦闘準備などを目的に、16年は計16回のICBM発射訓練を実施した。特殊列車にミサイルを搭載するシステムを開発し、20年までに実戦配備する計画だ。
ロシアの戦力は国防費516億ドル、兵力約79万8000人、戦闘(爆撃)機1011機、空母1隻、潜水艦62隻など。
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