北ICBMが軍拡競争触発か 米は新ミサイルシステムで対抗
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発と発射実験をちらつかせるのに対し、20日(米東部時間)に発足した米国のトランプ新政権は北朝鮮やイランのミサイル開発を警戒し、最先端のミサイル防衛(MD)システムを開発する方針を示した。米朝間でミサイルによる威嚇とけん制が本格化するとの見方が出ている。
北朝鮮はスカッド(最大射程1000キロ)、ノドン(1300キロ)、ムスダン(3000キロ以上)の短・中距離弾道ミサイルと潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に続き、射程9000キロ以上と推定されるICBMとしてKN08とその改良型のKN14を開発した。今月初旬には全長12メートルほどの新たなICBM2基を製造したとされる。
一方、トランプ政権が北朝鮮やイランのミサイル攻撃に備え開発する最先端のMDシステムは、アジア太平洋地域にも配備される見通しだ。
米国は韓国に配備予定の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」のほか、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)や海上配備型ミサイル(SM3)を搭載したイージス艦、最新イージス戦闘システムのベースライン9を搭載したイージス艦などで朝鮮半島周辺にミサイル防衛体制を整えている。
日本へのTHAAD配備も検討している。高性能レーダーや迎撃システムが補強される見通しだ。
トランプ政権の最先端MDシステム開発方針は、中国の核・ミサイル戦力の増強も大きな要因になったと分析されるが、形としては北朝鮮のICBM開発が朝鮮半島を取り巻く大国の軍拡競争を招こうとしている。
北朝鮮の金委員長はトランプ政権の機先を制するためにも、公言通りにICBM発射を成功させなければならない状況だ。北朝鮮は昨年8発のムスダンを発射したものの7発が失敗に終わり、金委員長のメンツがつぶれたためだ。
一方、韓国の専門家らは、北朝鮮が現在準備中の新型ICBMの発射が成功するかどうかの判断は容易でないとする。北朝鮮は昨年4月に高出力エンジンの地上燃焼実験の場面を公開している。新型ICBMに装着されたとみられる高出力エンジンは、ムスダンのエンジンの問題点を踏まえ、出力を向上させ新たに製作した可能性が高いと観測されている。
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