札幌冬季アジア大会19日に開幕 影落とすアパホテル問題
【ソウル聯合ニュース】19日に開幕する札幌冬季アジア大会のカウントダウンが始まった。
韓国は今回の大会に選手142人、監督・コーチら78人の計220人の選手団を派遣する。
今大会で韓国は金メダル15個を獲得し、総合2位に入ることを目標にしている。スピードスケート女子500メートルに出場する李相花(イ・サンファ)選手をはじめ男子長距離の李承勲(イ・スンフン)選手、女子長距離のキム・ボルム選手、ショートトラック女子の沈錫希(シム・ソクヒ)選手、崔ミン禎(チェ・ミンジョン)選手などが金メダル候補とされる。
今大会には、参加可否が不透明だった北朝鮮も出場する。
日本政府が北朝鮮の核実験と弾道ミサイル発射に対し行っている独自制裁によって北朝鮮国籍者は入国が原則禁止されており、北朝鮮の大会参加が危ぶまれていたが、国際スポーツの慣例に従い最終的に出場が許可された。
北朝鮮はスピードスケート、ショートトラック、フィギュアスケートなどに選手7人を出場させる予定だとされる。
韓国で来年開催される平昌冬季五輪を前に、韓国では「平昌五輪の前哨戦」としてさらに関心が高まるイベントだが、開幕を目前にしても大会の雰囲気は落ち着かない。
今大会の最も大きな懸念材料は、選手団の宿泊先に指定されたアパホテルだ。
札幌市内にある同ホテルは大会の主競技場から近く、韓国選手団をはじめ大会に参加する選手約2000人が宿泊する予定だった。
問題は、このホテルの全客室に歴史を歪曲(わいきょく)する内容の書籍が置かれていた点だ。
アパグループの元谷外志雄代表の著作には、旧日本軍の慰安婦強制動員と南京事件を否定する内容が含まれており、アジア・オリンピック評議会(OCA)の憲章に反することはもちろん、韓国、中国と日本のあつれきを引き起こす余地が十分にある。
憲章の第36条細則はいかなる種類の政治的、宗教的、人種的な宣伝活動も認められないと定めている。
まずは中国が敏感に反応した。大会組織委員会に対し宿泊先の変更を要求するとともに、自国の旅行会社にアパホテルを利用しないよう求める指針を出した。
大韓体育会(韓国オリンピック委員会)は、当初同ホテルから問題の書籍を撤去させる方向で事態を収束しようとしたが、論争が続いたことで宿泊先の変更を要請した。
最終的に韓国、中国ともに他の宿泊先に選手を滞在させることになったが、騒ぎは簡単に収まりそうにない。
今月5日には日本に住む中国人らが東京の繁華街で抗議のデモを行うなど、アジアの和合を目指す大会になるどころか、さらなるあつれきを生んでいる形だ。
海外からの選手団を招待する立場にも関わらず、詳細に検討せずに公式宿泊先を決定した大会組織委の無神経さが問題を招いたといえる。
また、今大会は世界選手権と一部日程が重なり、アジアを代表する選手が出場しづらい状況だ。
これまで韓国はアジア大会と世界選手権の日程が重なった場合、アジア大会を優先させる傾向があった。男子選手の場合、アジア大会で金メダルを獲得すると兵役が免除されるという特例が関係するためだ。
しかし今年の世界選手権の場合、平昌冬季五輪の出場権がかかっており、これまでとは違った雰囲気だ。
6年ぶりに開かれる今年の冬季アジア大会には31カ国・地域から約1100人の選手が出場すると予想される。
今回の札幌大会にはオセアニアに属するオーストラリア、ニュージーランドが初めて参加する。
両国はOCA加盟国でないため、個人種目に限り招待選手枠で出場する。3位以内の成績を挙げてもメダルは授与されない。
ynhrm@yna.co.kr