正男氏の殺害背景は? 正恩氏と裏金めぐり対立との説も
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、正男(ジョンナム)氏が13日にマレーシアで殺害された背景について、さまざまな見方が出ている中、北朝鮮事情に詳しい消息筋は16日、正男氏が管理していた故金正日(キム・ジョンイル)総書記の遺産と叔父の故張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長の裏金をめぐる正恩氏との対立が原因との見解を示した。
同筋は「少し前から(中国にいる北朝鮮の)貿易業者たちは金正男を『マカオの大手』と呼んでいた」として、「張成沢の処刑後、海外にあった張成沢の資金の大部分が金正男のものになったようだ」と伝えた。
また、正日氏が生前、政治から排除され海外を転々とする長男をかわいそうに思い、少なくない財産を与えたと主張した。
だが、国際社会の対北朝鮮制裁による統治資金不足で困難に陥っていた正恩氏が正男氏にマカオの銀行にある資金全額を朝鮮労働党に返還し、北朝鮮に戻るよう複数回にわたって指示したが聞き入れなかったため、正恩氏の怒りを買ったという。
正男氏が正恩氏の指示に従わなかったことで数年前から暗殺の動きがあり、党執行部が正男氏の財産の調査に着手したこともあるという。
一方、正男氏がホテルの宿泊料も支払えないくらい資金難にあえいでいたと一部メディアが報じたことについて、同筋は「財産がなければ数人の愛人と子どもを持ち、数十年にわたり海外生活をすることができるだろうか」と問い返した。
韓国の国会情報委員会が非公開で行った懇談会で、情報機関・国家情報院は「金正男の本妻は北京に息子といて、後妻はマカオで生活している」として、「金正男は以前から多額の活動資金を準備し、(生活に)不便したことはなかった」と明らかにした。
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