THAAD「報復」が美術界にも飛び火? 韓中展示会が中止に
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2017.02.22 18:13
【ソウル聯合ニュース】米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍配備に反対する中国の報復とみられる措置が続く中、韓中国交正常化25周年を記念し、韓国の国公立美術館で今年開催される予定だった展示会が中止となったことが22日、分かった。
展示会は中国文化省の後援を受け、韓国国際交流財団と中国共産党機関紙・人民日報が共催する計画だった。
京畿道美術館の崔銀珠(チェ・ウンジュ)館長によると、展示会には同美術館を含む5カ所の国公立美術館が参加し、今年上半期(1~6月)中に開くことで中国側と昨年初めから協議が行われていた。しかし、同年9月に中国側が「展示会を共催できない」と伝えてきたとういう。
崔館長は、展示会取りやめの理由について中国側は明らかにしていないが、THAAD問題が影響を与えたのではないかとの見方を示した。
中国は昨年7月のTHAAD韓国配備決定を受け、自国内での韓国芸能人の活動を制限するなど報復措置の一環として「限韓令(韓流禁止令)」で対抗してきたが、今年に入り、この措置が文化芸術分野にも拡大しているとみられる。
韓国を代表するソプラノ歌手のスミ・ジョーさんは今月19日から広州、北京、上海でツアーを行う予定だったがビザ発給が遅れ、ツアーが中止となった。ピアニストの白建宇(クンウー・パイク)さんも来月18日に予定されていた中国・貴陽のオーケストラとの共演がキャンセルとなった。
また、中国国立上海バレエ団の4月の公演「白鳥の湖」に主演予定だったプリンシパルの金志英(キム・ジヨン)さんも理由なく出演をキャンセルされた。上海バレエ団が昨年、公式に招待したもので、公演に向けて協議が進められていた。
hjc@yna.co.kr