韓国・金海市の医院内に少女像設置 個人での建立は初
韓国・金海市の医院内に少女像設置 個人での建立は初

韓国の市民団体が釜山の日本総領事館前に設置した旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する少女像をめぐり、日本政府が長嶺安政・駐韓大使を一時帰国させるなどの対抗措置を発表してから1カ月がたった。発表の3日後の1月9日に長嶺氏は帰国した。長嶺氏は今もソウルに帰任しておらず、韓日間のあつれきは解消の兆しが見えない。ソウルの日本大使館が入居するビルで警戒勤務にあたる警察=6日、ソウル(聯合ニュース)
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【釜山聯合ニュース】日本の植民地支配に抵抗して1919年に起きた独立運動を記念する韓国の「3・1節」に合わせ、慶尚南道金海市内の耳鼻咽喉科医院に27日、旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する「平和の少女像」が設置され、除幕式が行われた。

旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する少女像が設置された釜山の日本総領事館前の歩道を管理する釜山市東区の朴三碩(パク・サムソク)区長が像に黙礼している。朴氏は昨年12月28日、市民団体が設置した少女像を撤去し、非難の声が強まり、一転して設置を認めた=19日、釜山(聯合ニュース)
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少女像は現在まで韓国全土に約60体が設置されたが、室内に設置されたのはこれが初めてだ。
少女像は座った姿だが椅子がないのが特徴で、慰安婦被害者が韓国社会の中で定着できる場を見つけられないことを象徴している。また右手を強く握り、左手は開いているが、握った手は憤怒を、開いた手は許しと和解を意味している。

韓国・釜山の日本総領事館前に市民団体が設置した旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する少女像を訪れる市民が相次いでいる。像をめぐっては日本政府が対抗措置として長嶺安政大使の一時帰国を発表するなど、両国の外交問題として浮上している。娘に像の意味について説明する市民=8日、釜山(聯合ニュース)
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少女像を製作した作家は「日帝強占期(日本による植民地時代)に韓国で強要された『慰安婦』という苦い歴史を記憶しようと作った」とし、「日本政府の痛切な反省と謝罪だけが慰安婦の少女たちの憤怒を許しと和解に変える」と説明した。
少女像の建立費用1300万ウォン(約129万円)は院長が全額支払った。団体ではなく個人が少女像を建立するのも初めてとなる。通常は4000万~5000万ウォンかかるが、少女像は作家がボランティアで製作し、知人や市民からの募金約200万ウォンも集めた。院長はさらに募金を集め、慰安婦被害者団体に寄付する計画だ。
医院を訪れた患者は「平和の少女像を見て、このような歴史が二度とあってはならないと心に刻んだ」と話した。
この医院の院長は「平和の少女像が力のなかった国の痛ましい歴史を忘れず、心を分かち合う歴史の象徴として受け止められることを願う」と語った。
ynhrm@yna.co.kr