正男氏死因は「心臓発作」 VX使用の根拠なし=北朝鮮代表団
【クアラルンプール聯合ニュース】北朝鮮代表団としてマレーシアに派遣されたリ・ドンイル元国連次席大使は2日、首都クアラルンプールの北朝鮮大使館前で記者会見し、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏の死因について、殺害されたのではなく心臓発作で死亡したと述べ、猛毒の神経剤VXが使われた根拠はないと主張した。その上で遺体の引き渡しをあらためて求めた。さらに、事件の背景には韓国の政治的陰謀があると主張した。
リ氏は記者会見で、金正男氏の名前を出さず、旅券の名義の「キム・チョル」や「死亡者」などとの表現を用いた。
リ氏は「死亡者は心臓を病んでいて、時々治療を受けていた」とした上で、「普通のコンディションの時も心臓疾患の薬なしでは旅行をすることができなかった」と主張した。
またマレーシア当局が司法解剖の結果を発表し、被害者の持ち物に糖尿病と心臓疾患、高血圧に関する薬品があったと明らかにしていると指摘。その上で、「これはマレーシア当局が(事件)発生当時に結論を出したように、死因が心臓疾患であることを強く示している」と述べた。
さらに「VXという化学兵器が使われたという主張の根拠は全くない」と強調。その上で「乗客で込み合う空港で女性容疑者による攻撃は不可能だ」と主張した。
VXが使われていない理由としてリ氏は「VXは接触すれば直ちに死亡する猛毒性物質だが、空港にいた乗客数千名がどうして被害を受けなかったのか」と述べた。また、殺人罪で起訴されたインドネシア国籍のシティ・アイシャ被告とベトナム国籍のドアン・ティ・フォン被告の2人が手のひらにVXをつけて攻撃したにもかかわらず、VXの被害を受けていないことに疑問を呈した。
リ氏はこの疑問について、国際社会が共同で答えることを要求し、「VXが使われたのが事実ならばサンプルを化学兵器禁止機関(OPCW)事務局に送り、検証をしよう」と主張した。
同事件の背後に北朝鮮がいて、化学兵器が使用されたとされていることについては、政治的な混乱から抜け出そうとする韓国による陰謀との趣旨の発言をした。
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