在韓米軍のTHAAD実戦運営 早ければ4月から
在韓米軍のTHAAD実戦運営 早ければ4月から
【ソウル聯合ニュース】韓国国防部は7日、韓国と米国の軍当局が米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」を在韓米軍に配備するための作業に着手したと発表した。迎撃ミサイルを撃つ発射台2基と一部の装備が6日夜、輸送機を使って韓国に持ち込まれた。兵力や残りの装備も順次到着する予定だ。到着した発射台と装備は在韓米軍の基地に移されたという。配備用地の造成前に装備の設置を始めるのは、THAADを最大限速やかに作戦運用するという強力な意志を示すもので、中国の反発が予想される。
米国が韓国に配備するTHAADシステムは米テキサス州の基地で運用されていたもので、THAAD用地が造成されれば兵力とともに配備され、作戦運営に入るとされる。敵のミサイルを探知するXバンドレーダーや迎撃ミサイルなど残りの装備は今後到着する予定だ。
在韓米軍の関係者はこの日、記者団に対し「THAAD展開作業が始まったとみてよい」と説明した。
THAADの配備は1~2カ月以内にすべて終了すると伝えられる。これにより、早ければ4月からTHAADの作戦運用が可能との観測が出ている。当初は今年6~8月に配備される予定だった。
在韓米軍のブルックス司令官(韓米連合軍司令官兼務)は「適時のTHAADシステム展開は在韓米軍が増員戦力や最新戦力を要請する時に支援を受けることができるという確信を持たせるもの」と評価した。
韓国国防部の韓民求(ハン・ミング)長官とマティス米国防長官は1日に電話会談を行い、THAADの速やかな作戦運用のための準備作業を推進することで一致していた。
韓国軍の関係者は「THAADの配備完了時期は機密事項なので具体的に明らかにすることはできない」と述べた。
韓米の軍当局は北朝鮮の核・ミサイルの脅威の急速な高まりにより、THAAD展開時期を前倒しするしかなかったとの立場だ。
北朝鮮は先月12日に新型の中距離弾道ミサイル(IRBM)「北極星2」を発射したのに続き、今月6日には射程距離1000キロの中距離ミサイル「スカッドER」を発射し、朝鮮半島の緊張を高めた。
軍関係者は「北の核・ミサイルの脅威が非常に高度化する状況を総合し、現在進行中の(THAAD配備)日程を最大限速やかに行う策を講じた」とし、「その手順の一環としてTHAADの朝鮮半島への展開を開始する」と強調した。
また「(THAAD配備を)あらかじめ展開し、準備して配備期間を短縮しようとする努力だと解釈してよい」と述べた。
韓米軍当局がTHAAD配備作業に着手したことにより、配備と用地造成が同時に進む状況となった。
韓国軍当局は先月28日に国有地と交換する形で南部・慶尚北道星州郡のゴルフ場をロッテグループから譲り受け、在韓米軍地位協定(SOFA)に基づく米軍への敷地供与の協議手続きを進めている。
THAAD用地を完成させるには、敷地供与のほかに地質調査・測量・基地の基本設計・環境への影響評価などを経なければならない。
一部では軍当局が朴槿恵(パク・クネ)大統領に対する憲法裁判所の弾劾審理結果の言い渡しなど、韓国内の政治問題に世間の関心が集まっている隙を突いてTHAAD展開時期を無理に前倒ししたのではないかとの指摘も出ている。
これに対し軍関係者は「(国内の政治は)全く考慮されたことがない」とし、「政治的日程とは無関係だ」と強調した。
韓米両国の軍当局がTHAAD配備作業を急ぐ中、中国の反発が激化することも危惧される。中国は韓国軍とロッテのTHAAD用地交換契約以降、韓国観光商品の販売中断措置を取るなど強力な経済報復を行っている。
韓国軍当局は、THAAD配備作業に着手した事実を中国側に事前通知しなかったとされる。
国防部は「在韓米軍へのTHAAD配備は北の核・ミサイルの脅威から大韓民国を守るためのもので、韓米はTHAADの速やかな作戦運用のために努力している」と強調した。
ynhrm@yna.co.kr