慰安婦合意 いずれも再交渉に重き=韓国大統領選の5党候補
【ソウル聯合ニュース】5月9日に投開票される韓国大統領選で、「共に民主党」や「自由韓国党」、「正しい政党」、「正義党」の公認候補が決まったのに続き、4日は「国民の党」の候補が確定する予定で、大統領選候補が出そろうことになる。
各候補は大統領選までに公約を掲げ、激しい選挙戦を展開する。公約では外交・安全保障・国防分野が最大の争点の一つになりそうだ。中国が強く反発する米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍配備や対北朝鮮政策など、5党の候補の立場には隔たりがある。
◇慰安婦合意はいずれも再交渉に重き
旧日本軍の慰安婦問題を巡る日本との合意を巡っては、いずれも再交渉に重きを置いている。進歩(革新)系の最大野党の共に民主党の文在寅(ムン・ジェイン)候補は合意について、「朴槿恵(パク・クネ)前大統領の国政壟断(ろうだん)の中で行われた合意」として、新たに交渉する必要があるとの考えを表明している。中道系の国民の党の候補に事実上決まっている安哲秀(アン・チョルス)氏も慰安婦被害者を象徴する少女像の撤去に関する裏合意があったかどうかについて真相究明が必要として、再交渉を主張している。
自由韓国党(旧与党セヌリ党)の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補は「慰安婦問題はナチスのユダヤ人虐殺に並ぶ反人倫的な犯罪」として、「そのような犯罪は合意の対象にならない」と述べ、合意の無効を主張。保守系の正しい政党の劉承ミン(ユ・スンミン)候補は慰安婦被害者が合意に同意していないため、可能なら再交渉が必要との立場を示している。
革新系の少数党、正義党の沈相ジョン(シム・サンジョン)候補は合意を破棄し、再交渉を行うよう主張している。同党は国会の中に少女像を設置することも推進している。
◇文・安・沈氏「朝鮮半島の非核化維持」 洪・劉氏「戦術核の配備考慮」
文氏と安氏、沈氏は核保有を巡る問題について、「朝鮮半島非核化」の原則を維持する立場を示している。文氏は北朝鮮の核はもちろん、米国の戦術核の配備も容認できないと言い切っている。安氏は「戦術核の配備は朝鮮半島の非核化を放棄することで、北の核を認めることにつながりかねない」として、反対の意向を示した。
一方、洪氏は従来型兵器を保有している韓国と核兵器を持つ北朝鮮の「軍事的不均衡」を指摘し、大統領に当選すれば米国と「核兵器共有協定」を締結、戦術核の再配備を進める構想を打ち出している。
劉氏も朝鮮半島を巡る国際関係を考慮すれば核兵器の開発は困難だが、韓米連合軍に戦術核を再配備し、実質的な核武装の効果を得ることができるとしている。
沈氏はいかなる種類の核も朝鮮半島に持ち込んではならないと主張している。
◇THAAD配備問題
洪氏と劉氏、安氏はTHAADの配備を予定通り推進するよう主張しているが、文氏は配備問題を次期政権に任せるよう主張している。沈氏は配備準備の即時中止を求めている。
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