核不拡散のための核燃料粉末 韓国研究機関が日本に提供へ
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2017.10.18 15:41
【大田聯合ニュース】韓国原子力研究院は18日、米国から提供される低濃縮ウラン原料55キロを用い「ウラン・モリブデン(U-Mo)合金」粉末45キロを独自技術で製造し、2019年までに日本へ無償提供すると明らかにした。粉末は核燃料に加工され、教育・実験用原子炉の京都大臨界集合体実験装置(KUCA)に提供される。U-Mo粉末を核燃料に転換する初の事例となる。
米国は1978年から核不拡散のため、各国の研究用原子炉(研究炉)の燃料を核兵器の原料に転用される恐れのある高濃縮ウランから低濃縮ウランに転換するプロジェクトを主導しており、韓国原子力研究院はこれに加わっている。
韓国と米国、フランス、ベルギーは2012年のソウル核安全保障サミットで、濃縮度20%未満の低濃縮ウラン核燃料であるU-Mo核燃料を共同開発する事業を発表した。韓国原子力研究院は13年に米国から低濃縮ウラン原料110キロの提供を受け、遠心噴霧粉末製造技術を用いてU-Mo粉末100キロを製造することに成功した。
遠心噴霧技術はウラン合金を高温真空状態で溶かして高速回転する円盤に噴射し、遠心力により微細な粉末に凝固させるもので、同研究院が世界に先駆け独自開発した。
同研究院の河在宙(ハ・ジェジュ)院長は「世界的に認められている国内技術を用いて世界の高濃縮ウラン削減に寄与する。U-Mo核燃料の商用化を通じ、年間2億ドル(約225億円)に達する世界研究炉核燃料の市場に参入したい」と話している。
tnak51@yna.co.kr