中国が「韓流番組」無断模倣 海外見本市で販売も
【ソウル聯合ニュース】中国が韓国のバラエティー番組を無断で模倣した上、その番組を海外に販売していることが問題となっている。
放送関係者によると、9~12日にフランス・カンヌで開かれた国際映像コンテンツ見本市「MIPTV」で、中国のテレビ局は韓流バラエティーを模倣した番組をPRし、積極的に売り込んだ。
世界最大級の映像コンテンツ見本市とされるMIPTVでは、世界各国が展示館を運営し、カンファレンスを行って代表的な番組を紹介する。
MIPTVに参加した関係者によると、中国は「Wisdom of China」というタイトルで行ったカンファレンスで、韓国・SBSテレビの「ボーカル戦争 神の声」(原題)を模倣した上海東方衛星テレビの番組「天籟之戦」(同)を紹介した。
ある放送関係者は「MIPTVで中国のカンファレンスに行った際、『天籟之戦』のPR映像を大々的に流しているのを見てびっくりした」とし、「『神の声』のフォーマットを購入もせずに無断で模倣した番組だが、図々しく販売する様子に驚いた」と話す。
また「そこではKBSテレビの『歌の戦い 勝負』(同)を模倣したような番組も紹介された」とし、「無断模倣もあきれるが、模倣した番組を海外に販売するのを見て本当にあっけにとられた」と語気を強めた。
実際に、中国の江蘇衛星テレビは「歌の戦い 勝負」を模倣した番組を放送していた。
MIPTVでは国の機関がイベントを開く以外にも、テレビ局や制作会社が個別に番組を紹介するパンフレットや映像を作ってバイヤーに売り込む。関係者は、中国のテレビ局や制作会社のPR資料にも韓流を模倣した番組を紹介するものが多かったと伝えた。
中国は韓流バラエティー番組を模倣する際、基本コンセプトだけでなく全体をそのまま盗用する傾向にある。セットや構成、台本など誰が見ても韓流番組だが、中国の番組のように装うことが続いており、ケーブルチャンネルtvNの「ユン食堂」を模倣した番組は、あまりに似通っており中国現地でも非難の声が上がるほどだ。
MIPTVでも中国による模倣が問題になった。著作権関連のカンファレンスで、フォーマット販売の業界団体「FRAPA」は、中国の動画プラットホーム「愛奇芸」で公開されている「偶像練習生」(原題)がケーブルチャンネルMnetの「PRODUCE 101」 を模倣したものだとの分析結果を発表した。
FRAPAは両番組が88%類似していると分析し、「偶然似ているのではなくほぼ同一だ」と批判した。
Mnetは2月に、「偶像練習生」は「PRODUCE 101」のフォーマットを正式に購入して作られた番組ではないとして、番組コンセプトや構成、進行、編集方法、セットのデザイン要素などが2016年と17年に同チャンネルで放送された「PRODUCE 101」と相当部分類似していることに深い遺憾の意を表すると明らかにした。
だが、中国による韓流バラエティー番組の無断模倣は続いており、これに対し韓国のテレビ局や制作会社は事実上全く対応を取っていない状態だ。中国の国内事情や慣習からみて中国を相手に法的措置を取るのは簡単ではなく、大部分は中国市場攻略のために泣き寝入りしている。
ある関係者は「MIPTVの韓国のカンファレンスで(総合コンテンツ大手の)CJ E&Mの関係者が『中国では著作権保護が行われていない』と指摘したが、その後会社から叱責(しっせき)されたようだ」とし、「中国市場が大きいため、韓国のテレビ局や制作会社は理不尽なことをされても抗議もできず、やり過ごす場合が多い」と述べた。
また「中国市場が重要なのは事実だが、著作権の侵害に対して問題提起しなければ中国での模倣は続くだろう」と指摘した。
ynhrm@yna.co.kr