南北が緊張緩和へ自発的措置 南北首脳会談控え
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2018.04.23 13:34
【ソウル聯合ニュース】韓国軍が23日、南北軍事境界線付近で2016年1月から行っていた拡声器を用いた北朝鮮向け宣伝放送を突如中止した。27日の南北首脳会談を前に、和解ムードを盛り上げようとする意思の表れと受け止められる。北朝鮮が21日に北東部・豊渓里の核実験場を廃棄し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を中止すると発表してから2日にして放送中止に踏み切ったため、北朝鮮の和解のジェスチャーに韓国が応じたようにも映る。
南北が緊張緩和に向けそれぞれ自発的に措置を取ったことから、南北首脳会談と6月初旬までに開催見込みの米朝首脳会談で非核化などを巡り成果が出るとの期待も高まっている。
南北は今回、過去と違い目に見える形の条件なしで自ら措置を取った。
北朝鮮がかつて「核凍結」とも受け止められる措置を取る場合、常に「行動対行動」の原則に基づき米国などの相応の措置が伴ったが、今回は現段階で見返りと見なせるようなものはない。
韓国も同様だ。韓国軍は15年8月に拡声器による宣伝放送を中断したが、これは地雷爆発により韓国兵が負傷した事件に北朝鮮が南北高官協議で遺憾を表明したためだった。
韓国の放送に対抗して北朝鮮軍が軍事境界線付近で行っている拡声器による体制宣伝放送はこの日朝も聞こえていたとされるが、韓国の措置を受けて北朝鮮も放送を中止するとの見方が出ている。
韓国・東国大北朝鮮学科の金榕炫(キム・ヨンヒョン)教授は「核実験場の廃棄など北が先んじて取った措置に韓国が応えた面があるようだ。北も拡声器放送を中止し、緊張緩和の好循環が実現する可能性がある」と話している。
tnak51@yna.co.kr