米朝首脳会談 シンガポール開催が有力か=6月中旬の可能性も
【ソウル、ワシントン聯合ニュース】史上初となる米朝首脳会談の場所は朝鮮半島の分断を象徴する板門店ではなく、シンガポールになる可能性が高まっているようだ。複数の外交消息筋が6日、聯合ニュースの取材に答えた。開催の時期については6月8~9日にカナダで開かれる先進7カ国(G7)首脳会議前が有力だが、6月中旬になる可能性も出てきた。
米朝首脳会談に詳しい消息筋は、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領が訪米して開かれる韓米首脳会談が今月22日だという点を踏まえると、米朝首脳会談の時期は6月になるとの見通しを示した上で「場所については当初有力とされていた板門店の可能性は低くなった」と話した。
会談の場所と時期を決める上でキーマンとなるトランプ米大統領は今月4日に続き、5日(共に現地時間)も「開催場所と時期は決まった」と述べたが、発表は行われていない。
首脳会談の発表は通常、両国同時に行う。発表が遅れているのは米朝の最終調整が続いているためとみられる。特に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)にとっては警護面などで決定に慎重にならざるを得ないとの見方が出ている。
最大の関心事は会談の場所だ。トランプ大統領は先月30日、板門店での開催について「もしうまくいけば、そこでの開催は素晴らしいお祝いになる」と意欲を示した。シンガポールなど「第三国」も候補になっている。
ただ、トランプ大統領の側近らは第三国を推しているとされ、米国が最初から言及していたシンガポールが有力になりつつあるという。同地は板門店より象徴性で劣るが、中立地での交渉舞台と言う面で絶好だ。警護面やメディアのアクセスの面でも申し分がないとの評価を受けている。
トランプ大統領が板門店を選ぶ可能性もあるが、ホワイトハウスの今のムードを見ると、板門店の可能性は低いと消息筋は説明する。極秘訪朝して金委員長と会談したポンペオ米国務長官らが板門店での開催に反対しているとの声も聞かれる。
板門店になれば、「非核化」よりも朝鮮半島の平和に関する合意を導かなければならないという負担が米国側にかかることや仲介役の韓国にスポットライトが当たりすぎることを気にする声もあるという。
一方、開催の時期についてはG7首脳会議前に米朝首談会談を開き、G7で会談結果への支持を取り付けるのが望ましいとの見方が有力だ。ただ、トランプ大統領が交渉戦略の一環として意図的に開催を遅らせることもあり得る。この場合、トランプ大統領の日程などを考慮すると、米朝首脳会談は6月3週目になるとの分析が出ている。
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