米大統領「体制保証の用意」 韓国政府は朝米・南北関係好転に期待
【ソウル聯合ニュース】トランプ米大統領が17日(米東部時間)、北朝鮮が非核化に応じれば金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)は「強い保護を得る」と述べ、体制保証の用意があるとの考えを示したことについて、韓国政府は朝鮮半島情勢に重要な意味があると評価している。
政府関係者は18日、「北が最も敏感な体制の安全保証に対し、トランプ大統領が公に、具体的に言及したことは意味が大きい」と述べ、来月12日の朝米(米朝)首脳会談などに向け「前向きな雰囲気作りに役立つだろう」と期待を示した。
政府は、神経戦が過熱する様相を見せていた朝米間で、トランプ氏の言及が首脳会談の準備における一つの転換点になる可能性に注目している。
非核化の全プロセスに対する一括妥結、核弾頭や核物質、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の速やかな搬出、2020年までの北朝鮮非核化の達成といった目標を盛り込んだ、いわゆる「トランプ構想」と、北朝鮮の体制保証要求の間で本格的に折り合いを探る足場が整ったとも分析される。
ある外交筋は、北朝鮮が金桂官(キム・ゲグァン)第1外務次官の談話で見返りより核放棄を先行させる「リビア方式」を批判するなど非核化に関する考えを表明したのに対し、米国がトランプ氏の発言で反応を見せたと説明。今後は「朝米間で交渉テーブルの『メニュー』が考慮され始めるだろう」と評価した。
また、北朝鮮が韓米空軍の定例合同演習に反発して南北閣僚級会談への参加を突如取りやめ、韓国に強い警告を発したことで南北間には微妙な緊張感が漂っていたが、トランプ氏の今回の言及が南北関係も後押しするとの期待が韓国政府内にはある。一方で、朝米は首脳会談を前に互いに非核化と体制保証の条件を擦り合わせている状況であり、一喜一憂すべきでないという慎重論も一部に存在する。
こうしたなか、朝米の間を取り持つための韓国政府の動きも本格化しそうだ。22日にワシントンで開く韓米首脳会談で、政府は北朝鮮が非核化の見返りとして望んでいる不可侵の約束や朝米国交正常化、朝鮮戦争の平和協定締結といった体制保証案のうち米国が受け入れ可能なものを探るため、外交力を傾けるとみられる。
その流れで、先月27日の南北首脳会談の「板門店宣言」に明記した終戦宣言と平和協定を巡っても、韓米首脳が具体的に協議するかどうかが注目される。朝米首脳会談で非核化と北朝鮮の体制保証を盛り込んだ包括的な合意が導き出されれば、終戦宣言のための韓国、北朝鮮、米国による会談開催にも弾みがつく見通しだ。
tnak51@yna.co.kr