首脳会談に向けた朝米事前交渉 核弾頭の搬出が焦点に
【ソウル聯合ニュース】朝米(米朝)が首脳会談の開催に向け議題の調整を続けているなか、米国は北朝鮮に核弾頭を早期に国外へ搬出し、廃棄するよう要求しているとみられ、北朝鮮の対応が注目される。
朝米が南北軍事境界線にある板門店の北朝鮮側施設で27日に行った実務者協議では、核弾頭の搬出・廃棄問題が集中的に扱われたようだ。協議には北朝鮮から長く対米交渉に携わってきた崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官ら、米国からは核問題に通じた元駐韓大使のソン・キム駐フィリピン大使らがそれぞれ出席しており、29日もこの問題を巡り双方が話し合うとみられる。
保有核兵器の廃棄はこれまで、北朝鮮の非核化を巡る議論の最終段階で扱われる事案と受け止められていた。だが、トランプ米政権が北朝鮮北東部・豊渓里の核実験場を廃棄するだけでなく現在保有する核兵器も手放す誠実な姿勢を見せるよう迫ったことから、北朝鮮の核弾頭の国外搬出・廃棄問題が首脳会談の事前交渉のテーブルに上ったようだ。
現在のところ、米国がどの程度の核兵器をまず搬出・廃棄するよう要求したかは分かっていない。北朝鮮が保有する核弾頭の個数も不明確で、10~20との推定がある一方、20~60との見方もある。
注目されるのは北朝鮮の対応だ。核弾頭を早期に搬出・廃棄するよう求める米国に対し、首脳会談の実現を望む北朝鮮が一部受け入れる意向を示した、あるいは10基ほど保有しているとみられる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の一部をまず国外に搬出できると応じた可能性がある。
核弾頭の廃棄と併せ、核物質の国外搬出も今後の交渉の鍵になる見通しだ。また、年産最大40キログラムの高濃縮ウラン生産施設の申告・廃棄も交渉議題となる可能性が高い。北朝鮮は理論上では年間2基のウラン弾を製造する能力を備えている。
安全保障に詳しい専門家は「米国が主張する完全な非核化は、すでに開発した核兵器をはじめ核分裂性物質、核物質の生産・濃縮施設、核兵器の製造・貯蔵施設、研究施設、全ての関連プログラム(の放棄)を含む」とし、この米国の要求を北朝鮮がどこまで受け入れるかが焦点になると説明した。
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