開城連絡事務所の韓国当局者に「外交官級免責特権」 北に提案
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2018.06.05 10:19
【ソウル聯合ニュース】韓国政府が、北朝鮮南西部の開城工業団地に設置予定の「南北共同連絡事務所」に駐在する韓国側当局者に対し、外交官に準じる免責特権を保障するよう北朝鮮に提案したことが5日、分かった。
消息筋によると、韓国が今月1日の閣僚級会談で北朝鮮側に渡した共同連絡事務所の構成・運営合意書(案)には、韓国側当局者について「民事・刑事上の管轄権と証言から免除し、逮捕および拘禁をすることができない」という条項が含まれているとされる。また、通行・通信の保障、手荷物に対する通関・検閲の免除、居住地や事務所などに対する不可侵条項なども盛り込まれている。
韓国政府は、相手側に当局者が常駐して懸案を議論する共同連絡事務所は常駐代表部にも似ているため、ウィーン条約に基づき外交官に与えられる免責特権を保障されるべきだと判断しているようだ。
開城工業団地では、2016年2月に閉鎖されるまで韓国企業の工場で北朝鮮労働者が働いており、北朝鮮側は同団地に駐在する韓国の当局者に対する安全を約束してはいたものの、規定はかなりあいまいだった。
そのため、現行の規定しかなければ、韓国の当局者が北朝鮮で民事・刑事上の過ちを犯し北朝鮮が「法に基づく対処」を主張した場合、韓国が送還を要求する根拠が弱いと分析されている。
幸い、これまでは開城工業団地で韓国側当局者が民事・刑事上の問題を起こしたことはないという。
韓国の提案に対する北朝鮮の反応は分かっていないが、最近の南北間の融和的な雰囲気からすると前向きに応じるとの期待もある。韓国統一部の当局者は「共同連絡事務所に常駐する韓国側人員の『活動保障』をはじめとする諸般の事項は、北との協議を経て決定する」と伝えた。
tnak51@yna.co.kr