[インタビュー]米ビルボード幹部「防弾少年団がK―POPを成長させた」
[インタビュー]米ビルボード幹部「防弾少年団がK―POPを成長させた」
【ソウル聯合ニュース】米ビルボードでチャート事業統括副社長を務めるシルビオ・ピエトロルオンゴ氏は5日、聯合ニュースの書面インタビューに応じ、韓国の7人組男性人気グループ、防弾少年団(BTS)の成功の秘訣(ひけつ)は「従来のK―POPアーティストとは明白に異なる音楽性」にあるとの見方を示した。

韓国の男性7人組グループ、防弾少年団(BTS)が25日夜に開かれた「ソウル歌謡大賞」授賞式で大賞に輝いた。受賞スピーチをするメンバー(スポーツソウル提供)=25日、ソウル(聯合ニュース)
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ピエトロルオンゴ氏の管理・監督の下で毎週更新されるビルボードのチャートは大衆音楽の成果指標であり、世界的な影響力を持つ。防弾少年団のニューアルバム「LOVE YOURSELF 轉 ‘Tear’」は先ごろ、ビルボードのメインアルバムチャート「ビルボード200」で初登場1位を獲得する快挙を成し遂げた。
ピエトロルオンゴ氏は、2012年に世界的にヒットした韓国の歌手PSY(サイ)の「江南スタイル」と比較しながら、防弾少年団がK―POPを成長させたと評価。一方で、現状に安住すれば、世界のエンターテインメント業界での一時の競争力を失ったJ―POPと同じ轍(てつ)を踏むと警告した。
以下はピエトロルオンゴ氏との一問一答。

≪韓国人歌手初の快挙≫ 韓国の人気グループ、防弾少年団(BTS)のサードアルバム「LOVE YOURSELF 転 ‘Tear’」 が米ビルボードのメインアルバムチャート「ビルボード200」の最新ランキングで1位を記録した。 韓国の歌手が同チャートで1位を獲得したのは初めて。 ビルボード200はアルバム販売枚数と曲ごとの販売数、ストリーミングの実績などを基に、その週に米国で最も人気のあるアルバムの順位を決めるチャートだ。 (2018年5月28日、聯合ニュース) (END)
――防弾少年団の成功の秘訣は。
「これまで、多くの評論家はK―POPの消耗的で似たような音楽スタイルとキャラクターを非難してきた。米国のショービジネス規模は約172億ドル(約1兆9000億円)と世界最高で、こうした市場では徹底してプロだけが生き残る。音楽性、歌唱力、ステージマナーのうち、一つでも足りなければ絶対にビルボードの舞台には立てない。防弾少年団の成功の秘訣は、従来のK―POPアーティストとは明白に異なる音楽性にある。彼らの強みは優れた象徴性と含蓄性だ。その音楽を小説や哲学と比較した解説映像がユーチューブに出回るほどだ。彼らはビルボード・ミュージック・アワードで2年連続受賞し、K―POPを一段階成長させた」

≪3億回超えMV3作に≫ 韓国の人気グループ、防弾少年団(BTS)が2015年にリリースしたミニアルバム「花様年華pt.1」の収録曲「DOPE」のミュージックビデオ(MV)が動画投稿サイト「ユーチューブ」で再生回数3億回を突破した。 「DOPE」は強烈なエレクトロニック調のヒップホップで、音楽にまい進する防弾少年団の自伝的楽曲。 「DNA」「FIRE」に続き「DOPE」のMVも3億回以上再生され、防弾少年団はK―POPグループとして初めて再生回数3億回を超えたMVが3作となった。 防弾少年団は米ラスベガスで来月20日(現地時間)に開かれる「ビルボード・ミュージック・アワード」のステージに立つ。 (2018年4月30日、聯合ニュース) (END)
――PSYの「江南スタイル」はビルボードのシングルチャート「ホット100」で7週連続2位となった。これと防弾少年団の人気の違いは。
「客観的に言えば、大衆的人気はPSYの方がより幅広かった。リズムとダンスはコミカルでシンプル、ミュージックビデオは年齢や性別、国籍を問わず人気を集めた。だがその後、音楽の企画力が足りず、ほぼ単発性に終わった。一方の防弾少年団は少数のファンクラブから始まり、精密な戦略と組織力で音楽世界を広げ、支持者の幅を広げている。目先の人気にとらわれやすいエンターテインメント業界で、防弾少年団のチャレンジ精神は高く評価されるべきだ」

≪28万2千万枚≫ 韓国の男性7人組グループ、防弾少年団(BTS)が日本で発表したサードアルバムが、日本でリリースされた韓国アーティストのアルバムの初週セールス記録を塗り替えた。 オリコンによると、防弾少年団が4日にリリースしたアルバム「FACE YOURSELF」は発売初週の売上枚数が28万2000枚を記録した。 韓国アーティストが日本で発表したアルバムのうち、発売初週の最多売上枚数は2011年にガールズグループのKARA(カラ)が記録した27万5000枚だったが、これを更新した。 (2018年4月13日、聯合ニュース) (END)
――K―POPは今後も競争力があると思うか。
「K―POPもラテン音楽界のように積極的に変身し、チャレンジしなければ市場拡大は難しいだろう。市場は常に変わる。消費者は次第に気難しく、利口になっており、ライバルは増えるばかりだ。質の面で成長しなければ、J―POPのように一瞬で競争力を失い、墜落する」

≪人気DJとコラボ≫ 韓国の7人組アイドルグループ、防弾少年団が24日に公開した「MIC Drop(マイク・ドロップ)」のリミックスバージョンが25日、米国をはじめ47カ国のiTunes(アイチューンズ、米アップルのコンテンツ配信サービス)のトップソングチャート1位を獲得した。米国の同チャートでK―POPグループの曲が1位を記録したのは初めて。 「MIC Drop」のリミックスバージョンは、日系米国人の人気DJスティーブ・アオキ、米国人ラッパーのデザイナーとコラボした曲。同曲のミュージックビデオは動画投稿サイト「ユーチューブ」で再生回数が1000万回を超えた。 (2017年11月27日、聯合ニュース) (END)
――ビルボードが最も注目する音楽市場は。
「アジアだ。現在、ユーチューブの再生回数だけを見ると上位10曲のうち6曲がラテン音楽だが、成長は鈍っている。アジア(の音楽市場)は爆発的な人口増加と南米に比して安定した経済成長を土台に、規模の面でも内容の面でも成長を遂げるとみている」
防弾少年団=(聯合ニュース)
Youtubehttps://youtu.be/mFwi4OP2cdQ
tnak51@yna.co.kr