北朝鮮高官が中国から帰国 軽工業やインフラ整備で協力打診か
【北京聯合ニュース】2日に中国・北京を訪問した北朝鮮対外経済省の具本泰(ク・ボンテ)次官が6日に帰国したもようだ。北京の消息筋などが9日伝えた。具氏は経済・貿易政策を総括しており、訪中中、軽工業やインフラ整備などの分野で中国の協力を打診したとされる。
北京の消息筋などによると、具氏は中国共産党中央対外連絡部や商務省の関係者と面談し、短期間に3回行われた朝中(中朝)首脳会談の結果に伴う両国の経済協力について踏み込んだ議論を行ったという。
具体的には紡織や繊維などの軽工業、鉄道や電力などのインフラ構築と関連し、中国企業との共同事業などを通じた支援や協力を要請したもようだ。
5月には北朝鮮・朝鮮労働党幹部らによる「親善参観団」が中国を訪問し、北京、陝西省、上海、浙江省などを視察して具体的な経済協力について協議したが、具氏も同じような場所を視察し、親善参加団が行った議論を具体化するための話し合いを行った可能性もある。
ある消息筋は「具次官は6日に帰国したものと承知している」とし、「北の親善参観団が前回行った報告の結果を基に後続協議を進めにきた可能性がある」と話した。
具氏が5日にわたり中国との経済協力を模索したのは、米国が完全な非核化が実現するまでは対北朝鮮制裁を解除しないとしているため、閉塞状況を打開するには中国の協力を得るしかないと判断したためとみられる。
また外務省高官ではなく、経済担当の具氏が訪中したのは、今後、中国経済当局との公式チャンネルを復旧させたいとの意思があるとみられる。
金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)の叔父で北朝鮮ナンバー2だった故張成沢(チャン・ソンテク)氏は中国通で、北朝鮮経済を統括していたが、2013年に処刑されたことで、中朝間の経済チャンネルは断絶している。
別の消息筋は「具次官の今回の訪中で今後、中朝の経済当局間のチャンネルが復旧する可能性がある点に注目しなければならない」とし、「これは今後、中国による大規模な対北投資と支援のための足がかりになるかもしれない」と指摘した。
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