南北共同記念行事で韓国統一相が訪朝へ 事実上の閣僚級会談開催か
【ソウル聯合ニュース】韓国の趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官が、韓国と北朝鮮が4~6日に平壌で開く南北首脳宣言(10・4宣言)11周年記念共同行事に政府を代表して出席し、この際に北朝鮮側カウンターパートの李善権(リ・ソングォン)祖国平和統一委員会委員長をはじめとする高官と会談する可能性が高いことが分かった。統一部の当局者が2日、明らかにした。
同当局者は記者団に対し「(趙氏の訪朝時に)別途当局間の協議が行われると期待する」とし、「平壌共同宣言の履行策と後続会談の日程を包括的に議論すると予想される」と述べた。
趙氏が平壌を訪問するのは、先月開かれた南北首脳会談に文在寅(ムン・ジェイン)大統領の際に随行して以来、2週間ぶりとなる。
南北閣僚級会談の首席代表を務める趙氏と、北朝鮮側の団長である李氏が軍事共同委員会や赤十字会談、分野別の実務会談など平壌共同宣言履行のための後続会談の日程を協議すれば、事実上、閣僚級会談の開催といえる。
統一部の関係者は両氏が協議を行う可能性は相当高いとしながら、これを閣僚級会談と規定するかは議論の内容によると説明した。
韓国政府は出来る限り早期に閣僚級会談を開いて平壌共同宣言の履行策を議論したい構えで、当初は来週の開催が有力だとされていた。
だが、趙氏が今回李氏に会って今後の日程について合意した場合、閣僚級会談を行う必要がなくなる公算が大きい。
北朝鮮側も今月中旬ごろに予想されるポンペオ米国務長官の訪朝に備えるため、この機会に平壌共同宣言の後続日程を議論しようとすることが考えられる。
一方で、今回は後続日程に関する調整のみを行い、別途閣僚級会談を開いて最終合意を行う可能性もある。
10・4宣言採択以降初めて開かれる南北共同行事であることから、今回は行事を成功させることに注力し、南北当局間の議論は後回しにするとの分析も出ている。
今回の行事に出席する韓国側の訪朝団は、宿泊費や食費などの滞在費を南北協力基金で賄う予定だ。費用は2億ウォン(約2000万円)~3億ウォン規模になると推定され、米ドルを持参して直接北朝鮮側に渡すという。
これを巡り、一部では北朝鮮に多額の現金提供を禁じる国連安全保障理事会の制裁違反ではないかとの指摘もあるが、統一部の当局者は「民族同質性回復のための事業は対北制裁に抵触しないとの立場だ」と反論した。
韓国政府は制裁違反との議論が起こらないよう、米国側と緊密に協議して今回の行事を推進しているとされる。
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