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朝鮮半島平和構想の鍵は 朝米会談と正恩氏のソウル訪問

記事一覧 2019.01.01 00:01

【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が2018年に出した成果のうち、最も目立つ分野が外交・安全保障だという点に異論を唱える人はそれほど多くないだろう。

握手を交わす文大統領(右)と金委員長(資料写真)=(聯合ニュース)

握手を交わす文大統領(右)と金委員長(資料写真)=(聯合ニュース)

 青瓦台(大統領府)の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は先月21日、記者団に対し、「今年(18年)は朝鮮半島平和プロセスの新たなスタートとなった年」とし、「朝鮮半島における戦争の脅威をなくし、65年間の敵対的な緊張関係が事実上終息する段階」と話した。

 青瓦台の評価のように3回の南北首脳会談により、南北が軍事的な敵対行為を中断し、朝鮮半島における戦争の恐怖を取り除いた一方で、文大統領の朝鮮半島平和プロセス構想には残念な部分が残る1年でもあった。

 文大統領は18年中に朝鮮戦争の終戦宣言と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)によるソウル訪問を実現するとの目標を掲げていたが、達成することはできなかった。

 朝鮮半島の非核化と恒久的平和の定着については、インドネシアの日刊紙とのインタビューで「今年の末までに後戻りできない程度に進展させることが目標」としていたが、朝米(米朝)対話の膠着(こうちゃく)状態が長期化した影響で、これも達成したとするには不足との指摘も出ている。

 このような関係から、南北関係の改善にくさびを打つと同時に朝米関係の正常化をけん引するのが18年の文大統領の外交・安保分野の最優先課題になった。

 文大統領の朝鮮半島平和プロセス構想の成否を計る最大の要素の一つは朝米の非核化対話が進展するかどうかだ。

 朝米の首脳は18年に歴史的な初めての首脳会談で非核化や米軍戦死者の遺骨返還、朝米の敵対関係の清算、北朝鮮の体制保証など大きな枠組みの合意事項に署名し、文大統領の朝鮮半島平和プロセス構想に勢いを与えた。

 ただ追加の非核化措置を求める米国と非核化の見返りを求める北朝鮮の見解の相違は朝米対話を膠着状態に追い込んだ。

 文大統領が南北関係改善に拍車を加えるには、朝米が膠着状態から抜け出し、非核化交渉で進展を得るのが必須となる。金委員長のソウル訪問が2回目の朝米首脳会談後に行われたほうが文大統領にとって有利だとする見方はそのためだ。

 民間シンクタンク・世宗研究所の鄭成長(チョン・ソンジャン)研究企画本部長は聯合ニュースの取材に対し、2回目の朝米首脳会談では北朝鮮の寧辺にある核施設の廃棄という北朝鮮の措置とそれに見合った米国の措置など具体的な非核化ロードマップ(行程表)や終戦宣言などが議論されるだろうと見通した。

 言い換えれば、文大統領が目標とする終戦宣言や金剛山観光・開城工業団地の稼動再開など南北関係の改善が本格化するためには、朝米が対北朝鮮制裁の緩和などについて先に結論を出す必要がある構図になっている。

 2回目の朝米首脳会談は新年早々に開催されるとの見方が強いものの、朝米対話の停滞により首脳会談の開催時期が遅くなれば、金委員長のソウル訪問が先になる可能性もある。

 朝米首脳会談前に金委員長のソウル訪問が実現した場合、南北分断以後、北朝鮮のトップが初めてソウルを訪問することから、象徴性の側面でその意味は決して小さくない。また朝米首脳会談を前にその成果を導く役割も担うことができる。

 ただ南北関係の進展速度を左右する朝米交渉が進まない状況で南北首脳会談が開催された場合、文大統領は南北関係改善よりも2回目朝米首脳会談の早期開催のための調整役に集中するとみられ、議題は限定的にならざるをえないとの見方が強い。

 このような状況の中、青瓦台は金委員長が年明けの元日に発表する「新年の辞」に注目している。

 非核化の実行に関する前向きなメッセージがあれば突破口が開くが、内容によっては文大統領の非核化構想はさらに複雑にならざるをえない。

yugiri@yna.co.kr

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