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強制徴用問題で溝深まる 日本の協議要請に韓国の対応は

記事一覧 2019.01.10 14:16

【ソウル聯合ニュース】日本による植民地時代に強制徴用された韓国人被害者が日本企業に賠償を求めている問題を巡り、両国の溝がさらに深まろうとしている。韓国大法院(最高裁)は昨年10月、新日鉄住金に賠償金支払いを命じる判決を出し、被害者側の弁護団は同社が判決に従わないとして同社が韓国内に保有する資産の差し押さえを裁判所に申し立てた。これが承認されたことから日本政府は今月9日、韓国政府に対し1965年の韓日請求権協定に基づく協議を要請した。

強制徴用被害者の賠償問題に関し、日本が韓国に政府間協議を要請した(コラージュ)=(聯合ニュース)

 日本は国際司法裁判所(ICJ)への提訴も視野に入れているとされ、請求権協定に基づく政府間協議はその前段階といえる。だが、韓国司法の決定による問題を、韓日の外交当局間で解決策を探るのは容易でないとの見方が多い。この問題を巡る両国のあつれきは徐々に困難な状況に向かっている。

 韓国外交部の当局者は「日本側の協議要請を綿密に検討する予定」と話す。政府は強制徴用の被害者に対する大法院の判決と司法手続きを尊重することが基本的な立場としながら、「被害者の精神的苦痛と傷を実質的に癒さなければならないという点や未来志向の韓日関係などを総合的に勘案して対応策を講じる」と説明した。不必要な摩擦や反目を引き起こしては問題解決に役立たないため、冷静かつ慎重に対応する必要があるとも述べた。

 日本の要請に韓国が応じれば政府間協議が始まるが、韓国側は綿密な検討、慎重な対応と言及したように、本格的な紛争解決手続きに入るには消極的な姿勢のようだ。2011年に旧日本軍の慰安問題に関し韓国が日本に政府間協議を要請した際、日本が最終的に解決済みとして応じなかったという経緯もある。

 かといって、日本企業の資産に法的な措置が取られようとする状況で日本政府の協議要請を拒むことも、韓国政府としては外交的な負担を伴う。日本の河野太郎外相は9日、「韓国側が協議に応じるものと思っている」と、圧力を掛ける発言をしている。

韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官(左)と河野外相(コラージュ)=(聯合ニュース)

 たとえ協議が開催されたとしても、問題解決の見通しは立たないという分析もある。強制徴用被害者への賠償問題が請求権協定によって解決されるかどうかに対し、韓日の立場は異なっているためだ。また請求権協定は、協議が不調に終わった場合、両国の合意により第三国を交えた仲裁委員会を設置すると盛り込んでいるが、韓国政府は同委員会の設置を考えていないとされる。その場合、日本はICJに提訴する名分ができることになる。これを狙い日本が政府間協議を要請したのではないかという見方も出ている。 

 韓国政府としては、協議の要請に対応するというよりは、大法院判決後に李洛淵(イ・ナクヨン)首相を中心に検討している「対応策」という大きな枠組みでの取り組みを進めることが想定される。韓日間には強制徴用被害者の問題以外にも懸案が多い。両国間の局長級協議のように、さまざまな問題を扱う協議体などで議論することが望ましいとの意見もある。

 韓国政府の対応が遅れる場合、韓国の裁判所の決定に基づき日本企業に対する措置が先に進み、これに対し日本が自国内の韓国企業への直接、間接的な経済報復に踏み切る可能性も排除できない。そうなれば両国の世論は紛糾し、韓日関係の好転のチャンスをつかむことが難しくなる恐れがある。特に韓国にとって今年は植民地時代に起きた「三・一独立運動」から100年となる年であり、歴史問題を巡る両国政府の摩擦が国民感情の急激な悪化につながることも考え得る。

 一方、北朝鮮核問題をはじめとする朝鮮半島・北東アジアの安全保障に関し韓日の連携は欠かせず、民間交流の重要性に対しても両国の認識は一致している。国民同士の感情のもつれや国際的な場での論争に飛び火する状況を避けるべく、両国が慎重な対応に努める可能性もある。

mgk1202@yna.co.kr

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