韓米 飛翔体発射にも「対話強調」=北は中ロに接近か
【ソウル聯合ニュース】非核化を巡る米朝交渉が行き詰まる中で北朝鮮が短距離飛翔体の発射という挑発的な行動に出たが、韓国だけでなく米国も非難を控えるなど状況管理に入ったことで、朝鮮半島情勢の行方に注目が集まっている。
ポンペオ米国務長官は5日(米現地時間)、現地テレビに出演し、北朝鮮が4日に短距離飛翔体を発射したことについて、発射の狙いを探ることよりも北朝鮮との対話を継続する意向を強調した。
ポンペオ氏は飛翔体発射の意図について、「データの検討を続けている」として判断を留保しながら、「中距離ミサイルや長距離ミサイル、大陸間弾道ミサイル(ICBM)ではないという強い確信を持っている」と話した。
北朝鮮が凍結していたミサイル発射実験を再開したのかについては、即答を避け、「(発射実験の)凍結は米国にとって脅威となるICBMシステムに焦点を合わせている」とし、北朝鮮の今回の武力挑発が米国の想定を超えていないとの見解を示した。
また今後の米朝対話については、「今回取られた行動が障害にならないことを願う」とし、「対話を継続することを望む」と述べた。
北朝鮮は昨年4月20日、朝鮮労働党の主な政策を決める中央委員会総会で、核実験とICBMの発射実験を中止するとの内容を含む決定書を採択した。
ポンペオ氏が対話の重要性を強調したのは、北朝鮮が対話の局面から離脱しないよう非難を控えた韓国政府と足並みをそろえたものと受け止められる。
北朝鮮が飛翔体を発射した4日、韓国青瓦台(大統領府)は「北の今回の行為は南北間の軍事分野合意(昨年9月の南北首脳会談で署名)の趣旨に反するもので、非常に憂慮している」とし、北朝鮮に対し早急に対話再開に向け努力するよう呼びかけた。
韓米両国のこのような態度は、7~8日に日本、9~10日に韓国を訪問する米国のビーガン北朝鮮担当特別代表のメッセージにより具体的に確認することができそうだ。
また韓国政府は2017年9月、国連児童基金(ユニセフ)と世界食糧計画(WFP)の北朝鮮に対する母子保健・栄養支援事業に800万ドル(約8億9000万円)を支援する計画を決めたが、米国が北朝鮮への圧力を続けていることなどを踏まえ、執行を先延ばししている。これについても米朝対話を再開させる後押しの一環として、ビーガン氏の訪韓中に支援の執行に向け韓米間の調整を終えるのか注目される。
北朝鮮はビーガン氏を通じた米国のメッセージを確認した後に対応を検討するとみられるが、当分は国際社会を強く挑発しないレベルでの緊張状態を作っていくとの見方が出ている。
対話再開を求める韓米に歩み寄るよりも、ロシアや中国などとの連携を強化し、米国から譲歩を引き出そうとするとの見方だ。
韓国・国家安保戦略研究院のチェ・ヨンファン安保戦略研究室長は6日、北朝鮮は2回目の米朝首脳会談以降、米国が制裁に固執していると判断しているようだと指摘した上で、「北は制裁局面でも持ちこたえることができると見せるためにも当分は南北、朝米(米朝)対話の再開に応じないとみられる」と話した。
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