対北制裁違反疑いで韓国に係留の船舶 廃棄処分に
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2019.07.11 16:48
【ソウル聯合ニュース】韓国外交部は11日、国連安全保障理事会(安保理)が対北朝鮮制裁決議に違反した疑いで韓国に係留されている無国籍船舶の廃棄要請を承認したと発表した。
韓国政府はこの船舶の船主の同意を得て、5月23日に係留解除を申請する書簡を安保理の北朝鮮制裁委員会に送った。
対北制裁違反容疑で係留されている船舶が廃棄されるのは今回が初めて。先ごろ対北制裁違反の疑いで南部の釜山港に留め置かれていた船舶1隻が廃棄されたが、違反が事実と確認される前だった。
今回廃棄される無国籍船舶は、北朝鮮船舶に石油製品を違法に移し替えた疑いで2017年12月21日からソウル南方の平沢港に係留されている。廃棄作業は韓国内で行われる。
外交部の当局者は「くず鉄として廃棄された後にかかった費用を精算し、残りの費用も他の制裁違反容疑があるところに流れないよう保証を受けるなどの手続きを経る」と述べた。
石炭輸送に関与した疑いで18年1月19日から南西部の群山港に係留されている無国籍船舶についても、北朝鮮制裁委が廃棄に向けて協議中だと伝えられた。
これに先立ち、北朝鮮制裁委は1日(現地時間)、海上で積み荷を移し替える「瀬取り」に関与したとして韓国に係留されていた香港船籍と韓国船籍の2隻について、再発防止の約束の下で放免要請を承認した。
「廃棄」と「放免」の違いは、対北制裁違反の故意性の有無によって決まる。
外交部の当局者は「対北制裁違反で係留されれば廃棄されることもあるというメッセージを国際社会に正確に伝えられた」とし、「安保理決議の忠実な履行にもつながる」と述べた。
ynhrm@yna.co.kr