北朝鮮へのコメ5万トン支援 来年も推進=韓国政府
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2019.12.17 14:49
【ソウル聯合ニュース】韓国政府は17日までに、世界食糧計画(WFP)を通じて北朝鮮にコメ5万トンを支援する事業について、来年も引き続き推進する方針を決めた。南北協力基金からの支出を決めていた事業費は来年度(1~12月)に繰り越す。
韓国の統一部関係者は「北の食糧事情、WFPの立場などを総合的に考慮し、この事業を2020年も維持していく計画を立てた」と明らかにした。
韓国政府は今年6月、北朝鮮の食糧事情を踏まえ、WFPを通じて韓国産のコメ5万トンを支援する方針を決め、南北協力基金からコメの購入費用270億ウォン(約25億円)、輸送や北朝鮮内での配分・モニタリング費用1177万4899ドル(約12億9000万円)を支出することを決定した。
だが、北朝鮮が7月、韓米合同軍事演習などを問題視し、コメの受け取りを拒否。韓国政府はWFPに送金した費用の回収などを検討してきた。
当初は同事業の中止を検討する流れだったが、「人道支援は政治状況と関係なく続ける」との原則や、来年に北朝鮮の立場が変わる可能性などを考慮し、事業延長の方向に転換したようだ。
韓国政府は今月初旬、世界保健機関(WHO)を通じた北朝鮮に対する母子保健事業への支援を約5年ぶりに再開し、南北協力基金からの500万ドルの支出も決めた。
北朝鮮の今年の穀物の生産量はここ3年間の平均(469万トン)より少ない464トンで、韓国統一部は慢性的な食糧不足が今年も続いたと推測している。
韓国政府の措置により、WFPは来年も北朝鮮側とコメの支援問題を協議できるようになった。
ただ、北朝鮮が軍事的な緊張を高めており、対北朝鮮支援を批判する声も上がりそうだ。
kimchiboxs@yna.co.kr