韓国の新型肺炎 感染29人・完治9人=治療薬なく「免疫力」頼み
【ソウル聯合ニュース】韓国で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されてから間もなく1カ月となる。感染者は先月20日の初確認から増え続けたが、今月11日に28人目の確認を発表して以降、4日連続で発生せず、16日に新たな感染者1人が確認された。
16日現在の感染者数は29人。感染者は旧正月(今年は1月25日)連休からの約2週間に集中的に発生した。感染者のうち、23人は韓国人で、それ以外の6人は中国人だ。感染者が知人や家族にウイルスをうつした2・3次の感染例もあった。
完治して退院するケースも相次いでいる。これまで9人が自身の免疫力で完治した。8人は退院しており、1人も退院予定。残りの患者もおおむね容体が安定しており、近く退院者は増えるとみられる。
専門家たちと防疫当局は新型コロナウイルスの症状は、中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)や重症急性呼吸器症候群(SARS)などと比べると比較的軽いだけでなく、国内の感染者全員は防疫体制内で管理されているため過度な不安を持つより、日常生活での感染予防策を守るよう呼び掛けている。
◇1月20日に「初感染者」発生 2月初めまで感染者増加
韓国での初感染者は、先月20日に発生した。
初感染者は30代の中国人女性で、中国・湖北省武漢から日本に向かう予定だったが、経由先の韓国の空港での検疫で感染が確認された。4日後の24日には2人目の感染者が見つかった。50代の韓国人男性で、空港で発熱などが確認され、後に感染が分かった。
感染者は旧正月連休後に急速に増加した。
先月26日と同27日にそれぞれ1人が確認され、同30日には3人、同31日には4人の感染が確認された。1月末時点の感染者は計11人だった。
感染者の拡大傾向は今月初めまで続いた。
1日から6日間は、ほぼ毎日感染者が出た。
1日に1人、2日に3人、4日に1人、5日に5人、6日に3人の感染者が確認された。9日には3日ぶりに3人、11日には1人の新たな感染が発表された。
その後4日間、新たな感染者が発生しなかったものの、16日に新たに1人の感染が明らかになった。
感染者の増加に伴い、新型コロナウイルスの感染が疑われる症状で検査を受ける人も7000人を超えた。16日午前現在、感染者を除き7890人となっている。このうち、このうち7313人が陰性の判定を受けた。残る577人は現在検査中だ。
検査件数は先ごろ、政府が検査機関と対象を拡大したことで急増した。検査時間を従来の24時間から6時間に短縮させる検査法を開発したのも影響した。
◇感染者29人…「日本、シンガポール、タイ訪問」5人
感染者のほとんどは韓国人で、半数以上は「海外渡航歴」があった。
感染者29人のうち、韓国人は23人、中国人は6人。男性が16人で、女性は13人だ。
海外訪問後に感染が確認されたのは19人、国内で感染した人は10人となっている。
海外渡航歴のある人のうち、中国を訪問または中国に滞在した人は14人だ。このうち、12人は新型肺炎が発生した中国の湖北省・武漢を訪問していた。残り2人は武漢は訪問せず、広東省を訪問してからマカオを経由し帰国した夫婦だ。
中国以外の国を訪問した感染者は5人で、日本、タイ、シンガポールへの渡航歴があった。
日本訪問者は現地で感染者と接触していた。
国内で感染した人は全員、感染者と接触した「2・3次感染者」だ。感染者の家族や知人で、疫学調査をみると、主に一緒に食事をしたことで感染したとみられる。
◇完治9人 治療薬なしに克服「免疫力で」
感染者のうち、9人が完治した。1,2,3,4,7,8、11、17,22人目の感染者で、彼らの平均年齢は44.9歳。ぜんそくなどの基礎疾患を持っていなかった。症状がなくなってから、24時間おきに行った2度の検査で「陰性」が確認された。これは基準値以上のウイルスが体内に残っておらず、感染力がない状態で、「隔離解除」の基準となる。
完治者のうち、8人は退院しており、1人(8人目)は今週退院する予定だ。8人の平均入院期間は14日だった。
新型コロナウイルスはまだ治療薬がない。完治者は免疫力で病を乗り越えた。
治療は患者の症状に応じた「対症療法」だった。熱があれば解熱剤を、筋肉痛があれば鎮痛剤を投与するなどといった治療法だ。
残りの患者もおおむね容体が安定して、退院する感染者は増えるとみられる。
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