全将兵の外出・面会など禁止 軍内での感染拡大阻止へ総力=韓国
【ソウル聯合ニュース】新型コロナウイルスの感染者が韓国軍でも発生し、軍当局が内部での感染拡大阻止へ総力を挙げている。
南部の済州島にある海軍部隊で勤務する兵士が南東部・大邱に帰省後に軍内で初の感染者となったのに続き、陸・海・空軍の本部があり「軍の心臓部」と呼ばれる中部の忠清南道・鶏竜台に大邱から派遣されていた空軍将校も21日に感染が確認された。陸軍でも感染者が出ている。
軍当局は、各級の部隊で感染者が続出する事態になれば防衛態勢に大きな支障が出かねないとみて、対策づくりに苦心している。
感染者が増え続けている大邱には、主力戦闘機F15Kを配備する空軍第11戦闘飛行団と軍需司令部がある。F15Kは作戦半径が他の戦闘機よりも広く、機動力にも優れており、韓国防空識別圏(KADIZ)に進入する他国航空機への対応などに当たる。
国防部の高官は、新型コロナウイルスの広がりは病気が国の安全保障を脅かしかねないという懸念を現実のものにしていると述べ、「軍は事態を重く受け止め、感染の封じ込めに総力を挙げている」と説明した。
国防部は先月末、感染者が発生した地域の部隊の将兵に外出、外泊、面会制限を課すなどの対策を打ち出したが、今月22日からは全ての将兵の休暇、外出、外泊、面会を制限する。陸・海・空軍での感染者発生を受け、将兵の部隊外での活動を最低限に抑える狙いだ。
軍はあわせて、今月10日以降に休暇で大邱や慶尚北道へ出かけた将兵の人数を把握するための全数調査も行っている。
韓国での感染者が急増していることから、3月9日からの実施が予想される韓米合同軍事演習の実施を巡っても国防部は頭を悩ませている。
演習の実施に積極的だった米国側も、大邱の米軍基地が事実上「準閉鎖」状態に入ったことなどを踏まえ、立場を変えるとの見方もある。23日から訪米する鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官が、エスパー米国防長官との会談で3月の合同演習延期などを最終調整する可能性が高そうだ。
tnak51@yna.co.kr