赤十字が見た朝鮮戦争 避難民や捕虜を写した70枚の写真公開
【ソウル聯合ニュース】朝鮮戦争(1950~53年)勃発70年を25日に控え、聯合ニュースが24日、赤十字国際委員会(ICRC)から入手した戦時中の写真70枚を公開した。爆撃で荒廃したソウル中心部、南へ避難する人波、捕虜収容所での生活などが写っている。戦争の悲劇に見舞われた朝鮮半島の当時の様子がうかがえる貴重な写真だ。
写真は朝鮮半島に派遣されたICRC関係者が残したもの。朝鮮戦争が始まると同時に、ICRCは国連軍と共産勢力間のジュネーブ諸条約順守の監視や難民保護などの人道的活動に乗り出した。
目を引く写真のひとつに、幼い捕虜を写したものがある。1951年6月4日に南東部・巨済の捕虜収容所で撮影された。ICRC職員と握手を交わしている少年の天真爛漫(らんまん)な笑顔が印象的だ。この少年が北朝鮮軍、または中国軍(義勇軍)所属だったのかは確認できていない。
この収容所で捕虜が息抜きのひと時を過ごす場面もカメラはとらえた。同じく1951年6月に撮影された写真では、上半身裸になって騎馬戦を楽しんでいる。
一方、戦争の荒波の中、南へと逃れる人々は必死の表情だ。1950年12月に南東部の大邱で撮った写真は、汽車に乗ろうとする人でひしめいている。寒さをしのぐために毛布や何枚もの服を巻き付けているのが分かる。頭の上に荷物を載せて、あるいは子供をおぶって、何とかして移動したり車両の屋根によじ登ろうとしたりしている。
大邱あたりと思われるどこかの川で、渡し船に乗った人々を写した写真もある。櫓(ろ)をこいでいるのは男の子だ。
爆撃で廃墟と化したソウルの様子も写された。1952年1月、爆撃後のソウル中心部はほぼすべての建物が破壊されており、通りを歩く人もまばらだ。
だが廃墟の中でも市は立つ。韓服(韓国固有の衣装)を着た女の子など、数人の子どもたちの姿も見える。
女性捕虜の収容所にたたずむ女性たち、北朝鮮軍と中国軍の捕虜が輸送船で移送されていくところ、市民がICRCと大韓赤十字社から衣類などの救援物資を受け取る様子などを撮った写真もある。
ICRC韓国事務所の代表は「朝鮮戦争勃発70年にあたり、歴史的に意味ある写真の一部を共有できてうれしく思う」と述べた。
mgk1202@yna.co.kr