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日本による輸出規制から1年 韓日関係の行方なお霧中

記事一覧 2020.06.27 09:00

【ソウル聯合ニュース】2018年10月に韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じた強制徴用判決への報復として、日本が韓国に対し半導体とディスプレーの材料3品目の輸出規制を強化する措置を取ってから1年がたとうとしている。輸出規制も含め韓日関係はもつれたままで、いまだに出口が見えない。政府間の対話で解決しようという試みがなかったわけではないが、道筋をつけるには至らなかった。賠償を命じられた日本企業の資産が年内にも現金化されれば、日本がまた別の報復措置に出ることも予想される。事態は一段と深刻化しかねない。

日本は2019年7月、3品目の対韓輸出規制を強化したのに続き、韓国を輸出管理の優遇対象国「グループA(旧ホワイト国)」から除外すると発表した(コラージュ)=(聯合ニュース)

◇強制徴用を巡り見解の隔たり埋まらず

 輸出規制問題が解決されないのは、発端である強制徴用の賠償判決に対する見解の溝が理由だ。日本政府は1965年の韓日請求権協定締結によって強制徴用被害者に対する賠償問題が解決されたとの立場を示す。一方、韓国大法院は同協定で被害者個人が日本企業に賠償を請求する権利まで消滅したわけではないという判決を示し、韓国政府はこれを尊重するとしている。

 韓国は2019年6月、韓日両国の企業が自発的につくる基金で被害者に慰謝料を支払う案を提示したほか、基金設立に両国企業だけでなく国民も加わる案など、複数の提案をしてきた。だが、日本はいずれも受け入れを拒んだとされる。日本企業をまだ提訴していない最大で数十万に上る被害者に関する解決策が盛り込まれていないなどの理由を挙げ、韓国に対しさらに踏み込んだ案の提示を望んでいるようだ。

 ところが今年に入り新型コロナウイルスという緊急の事態が起き、韓日とも対応に追われ外交に注力できる状況ではない。強制徴用問題への取り組みも事実上棚上げされている。

輸出規制問題は強制徴用判決に端を発する(コラージュ)=(聯合ニュースTV)

◇日本企業の資産売却なら再び報復か

 韓日関係がさらに悪化する前に対話で問題を解決すべきだが、問題は時間がさほど残されていないという点だ。

 徴用被害者の賠償に向け、すでに韓国内にある日本企業の資産が差し押さえられており、韓国の裁判所は同資産の売却による現金化を認めた。売却は8月4日以降可能だが、日本の政府と企業は現金化の手続きに協力しないとみられ、売却まで数カ月を要する可能性もある。

 日本は、これが実行されれば報復措置に乗り出すこともあると再三ほのめかしてきた。現地メディアによると、日本が取り得る報復措置には、日本に所在する韓国企業の資産の差し押さえや、韓国製品に対する関税引き上げなどがある。

 一方、韓国は今月、日本の輸出規制強化を不当として世界貿易機関(WTO)への提訴の手続きを再開した。日本の報復に備えて素材・部品・装備(装置や設備)産業の育成にも拍車をかける構えだ。

 さらに、日本との対話を条件に終了通告の効力を停止した韓日間の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)も、効力をいつでも発生させられると繰り返し強調している。GSOMIAの破棄は、韓米日の安全保障協力により中国をけん制しようとする米国が強く反対するもので、韓国としても慎重にならざるを得ない手段だ。それでも日本が追加報復に乗り出すなら他に選択肢はないとの見方もある。 

日本は世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の全体像を紹介する施設として「産業遺産情報センター」を東京に設置したが、韓国は軍艦島の歴史を正しく伝えていないと見なした(コラージュ)=(聯合ニュース)

◇「韓日がともに知恵を絞り、最悪の事態の回避を」

 外交的な解決に向けた韓日当局の協議は続いているとはいえ、形式的な意思疎通にとどまっている。今月24日も韓国外交部の金丁漢(キム・ジョンハン)アジア太平洋局長が日本外務省の滝崎成樹アジア大洋州局長と電話で協議したが、従来の立場を伝え合っただけで、進展はなかったようだ。

 これに先立つ15日には、朝鮮半島出身者の強制労働が行われた長崎市の端島炭坑(軍艦島)などを含む「明治日本の産業革命遺産」(23施設)が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録された際の日本政府の約束を果たすものとして、東京の「産業遺産情報センター」が一般公開を開始した。だが、軍艦島に関する展示は強制徴用の事実を否定するような内容となっており、韓国政府は日本に遺憾と抗議の意を伝え、是正を求めた。

 とはいえ、韓日双方とも今の状況には危機意識を持っており、より積極的な対話に取り組むならムードの転換は可能とも指摘される。韓国を議長国に韓中日3カ国首脳会談が年内に開催され、韓日首脳が直接顔を合わせて真剣に話し合う場合、関係改善の糸口をつかめるという期待がある。

 両国とも新型コロナによるダメージが大きい景気を回復させるためにも、韓日間のあつれきが経済にさらなる悪影響を及ぼさないよう管理する必要がある。来年ぜひとも東京五輪を開催したい日本にとっても、韓国との関係悪化は重荷にしかならない。

 梁起豪(ヤン・ギホ)聖公会大教授(日本学)は「(日本企業資産の)現金化が実行される前に、両国政府が一緒に知恵を絞って解決策を探り、少なくとも強硬姿勢のままぶつかり合う最悪の事態は避けなければならない」と述べた。

mgk1202@yna.co.kr

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