ASEAN自動車市場で韓国勢の販売シェア拡大傾向 業界団体
【ソウル聯合ニュース】東南アジア諸国連合(ASEAN)の自動車市場で韓国勢の販売シェアが拡大傾向にあることが22日、韓国自動車産業協会の資料で明らかになった。
同協会のまとめによると、ASEANの自動車市場(2019年基準で350万台規模)で韓国ブランドの19年の販売シェアは15年比1.3ポイント上昇した。同期間に日本ブランドは1.5ポイント低下し、中国ブランドは1.0ポイント上昇した。
ASEAN各国の市場規模はインドネシアが103万台、タイが101万台、マレーシアが60万台などとなっており、この3カ国で販売全体の76%を占める。
韓国勢はベトナムを中心にシェアを拡大しており、中国勢はASEAN市場で全体的にシェアを小幅に伸ばしている。また、日本勢は19年にタイで87.1%、インドネシアで92.0%の高いシェアを記録した。
韓国ブランドのASEAN内での生産比重は同期間に2.8ポイント上昇した。だが、ASEAN内の115カ所の自動車生産工場(組み立て工場を含む)のうち、韓国メーカーの工場は7カ所(6.1%)にとどまり、日本メーカーが64カ所(55.7%)で半分以上を占めている。
自動車部品でも、日本はタイだけで約2100社が進出しているが、韓国はASEAN全体で39社と少なく、生産基盤がなお劣悪だと自動車産業協会は説明している。
韓中日3カ国の特徴を見ると、韓国勢は完成車大手の現代自動車と子会社の起亜自動車がベトナムでの組み立て生産量を増やし、同国の市場でシェアを拡大中だ。また、現代はインドネシアで昨年12月に完成車工場を着工し、同国を中心に進出拡大を図っている。
一方、日本勢は近ごろ市場が停滞しているタイ、インドネシア中心の生産戦略を貫いており、スポーツタイプ多目的車(SUV)を中心に市場規模が拡大しているマレーシアやベトナム市場への対応は不十分だ。ASEAN各国の電気自動車(EV)普及政策をよそに、ハイブリッド車(HV)の販売戦略に注力している。
中国勢は低価格のSUVモデルなどの現地生産で価格競争力を得ており、現地生産企業のM&A(合併・買収)によりASEAN市場への進出を引き続き拡大する見通しだ。
自動車産業協会はこうした状況を踏まえ、韓国勢は日本ブランドと比べて劣っている部品の現地化率を引き上げる一方、現地に生産拠点を構築し、流通・アフターサービス網を整えるなどして競争力を確保すべきだと指摘した。
韓国政府に対しても、ASEAN各国との完成車や部品に対する関税引き下げ交渉などに努めるべきだと提言している。
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