北に戻った性的暴行容疑の脱北者 送還要求は「総合的に判断」=韓国政府
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2020.07.29 13:31
【ソウル聯合ニュース】韓国統一部の呂尚基(ヨ・サンギ)報道官は29日の定例会見で、韓国で性的暴行の容疑で警察の捜査を受けていた北朝鮮脱出住民(脱北者)が軍事境界線を越えて北朝鮮に戻ったとされる事件に関し、北朝鮮側にこの人物の送還を要求するかどうかについては総合的に判断すると明らかにした。関係機関による事件の調査結果や南北関係の状況、これまでの慣行などを踏まえて検討するとしている。
この脱北者は20代の男性で、2017年に脱北して韓国入りしていた。軍事境界線に近い北西部・江華島の排水路を通って漢江河口に抜け、北朝鮮に渡ったとみられている。この脱北者が韓国で知人女性に性的暴行を働いた疑いで警察の取り調べを受け、逮捕状も発付された容疑者だったことが伝わると、一部からは北朝鮮に送還を求めるべきとの指摘が出た。
北朝鮮は先ごろ、韓国から戻った脱北者が新型コロナウイルスに感染した疑いがあると主張し、軍事境界線に近い開城を封鎖するなどの強力な防疫措置を取ったことを報じた。呂氏は北朝鮮での新型コロナの感染拡大状況について、北朝鮮がこの脱北者について感染者ではなく疑い患者という表現を使っていることを挙げ、「まだ北に公式的に新型コロナの感染者はいないものと把握している」と述べた。
tnak51@yna.co.kr
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