韓国政府 対北ビラ禁止法巡る批判に反論「表現の自由より生命権」
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2020.12.15 14:41
【ソウル聯合ニュース】韓国統一部は15日、北朝鮮に向けた体制批判のビラ散布の禁止などを盛り込んだ「南北関係発展に関する法律」改正案が前日の国会本会議で可決されたことに関し、北朝鮮に近い境界地域に住む国民の生命権が表現の自由よりも優先されるとの立場を示した。
ビラ散布の禁止を巡っては表現の自由を侵害するものだとの批判があった。これに対し、統一部は改正案の内容を説明する資料で、「表現の自由も憲法上の権利だが、境界地域の国民の生命、安全という生命権よりも優先することはできない」と指摘した。
同部は2014年に韓国の民間団体がビラを飛ばした際に北朝鮮が射撃で対応したこと、今年6月に北朝鮮が開城の南北共同連絡事務所を爆破したことを取り上げ、「ビラ散布は北の挑発を招き、境界地域の住民の生命、安全、財産など他人の権利を侵害し、南北間の緊張を高めて国家安全保障を阻害する」と説明した。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)の妹、金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長がビラ散布を非難したため、北朝鮮の顔色をうかがってビラ散布禁止法を設けたとする一部の批判にも反論した。
統一部は、08年当時の国会から北朝鮮へのビラ散布規制に向けた立法が推進されてきたと説明し、「いわゆる『金与正下命法』などと事実を歪曲(わいきょく)して非難することは明白な誤りだ」と指摘した。
tnak51@yna.co.kr