政策金利を年0.5%で据え置き 景気防衛・資産市場過熱など考慮=韓国中銀
【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)は15日、定例の金融通貨委員会を開き、政策金利を年0.5%で据え置いた。韓銀は昨年3月の臨時の金融通貨委で、新型コロナウイルスの感染拡大により景気減速が予想されるとして政策金利を年1.25%から過去最低の0.75%に引き下げ、同5月にはさらに0.25%利下げした。その後、今回を含め5回連続の据え置き。
金融市場が比較的安定している一方、不動産・株式など資産市場の過熱が問題になっている点を考慮し、追加利下げの必要性は高くないと判断したようだ。
昨年11月からの新型コロナウイルス流行の「第3波」と政府の防疫対策「社会的距離の確保」のレベルの引き上げなどで景気低迷の懸念が高まる中で利上げは現実的ではなく、金融通貨委員会としても昨年7月から5回連続での金利据え置き以外に選択の余地がなかったとみられる。
学界や研究機関、債券市場の専門家も多くが据え置きを予想しており、新型コロナの感染再拡大を受けて韓銀が景気防衛の意味で緩和的な金融政策を維持するとの見通しを示していた。
今月4~7日に金融投資協会が業界従事者200人を対象に行ったアンケートでも、回答した100人全員が政策金利の据え置きを予想した。新型コロナによる経済の不確実性が依然として大きく、主要国が金利を据え置いていることから、韓国も現在の金利水準を変えるのは難しいとの分析が支配的だった。
低金利で昨年の家計債務が過去最高水準の100兆ウォン(約9兆4400億円)に膨らみ、これらの流動性が不動産・株式などの資産に集中することで「バブル」気味な状態が続いている点も、政策金利据え置きの決定に影響を与えたとみられる。
韓銀の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁も5日、「コロナ危機の後遺症として残された負債問題や資産市場への資金の集中など、解決すべき懸案が山積みだ」と警告した。また、負債額が大きく、金融資産と実物資産の隔たりが拡大した状態では小さな衝撃でも市場が大きく揺らぐ可能性があり、金融システムの弱点をもう一度細かく確認する必要性があると強調した。
現行の0.5%の政策金利が実効下限に達しているという指摘も、追加利下げが容易ではない理由の一つだ。0.25%に引き下げた場合、米国の金利の上限と並ぶことになり、外国人投資家の資金引き揚げなどが懸念されるためだ。
このほか、金融・為替市場が比較的安定していることも据え置きの要因の一つと考えられる。
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