新大久保駅事故から20年 李秀賢さん母「韓日友好の夢継ぐ」
【東京聯合ニュース】韓国人留学生、李秀賢(イ・スヒョン)さん(当時26)が東京のJR新大久保駅ホームから転落した人を救おうとして亡くなってから26日で20年となる。母の辛潤賛(シン・ユンチャン)さんは20日、オンラインで行われた韓日メディアの共同記者会見で「息子を失った後、多くの日本人が後援し、気遣ってくれたおかげで奨学会が運営され、息子の夢を継いでいる」と語った。
韓国と日本の懸け橋になることを夢見た李さんの遺志を継ぎ、両親は02年に日本人らが募った弔慰金などを基に日本で勉強しているアジアの留学生を支援するため「李秀賢顕彰奨学会(現・LSHアジア奨学会)」を設立した。同奨学会から奨学金を受け取った留学生は今年1000人を突破する。
辛さんは毎年欠かさず命日に来日してきたが今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で訪日できなかった。東京・新大久保のコリアンタウンで飲食店やショップを営む韓国人事業主らでつくる新宿韓国商人連合会は、李さんが亡くなってから20年という節目の年であることから、例年よりも規模の大きい追悼行事を行おうと準備を進めていたが、少人数による行事に変更した。
辛さんは「日本のコロナの状況がひどく、とても心配になった。皆さん元気でいてほしい」と話した。また「小さい行事でも1人や2人の力でできることではない」とし、追悼行事が20年間続いたことに対し「非常に感謝している」と語った。
また、李さんが亡くなってからこれまでに日本から送られてきた手紙が2000通ほどあると紹介し、悲しみを抑える力になったと振り返った。
国交正常化以降、最悪ともいわれる韓日関係と関連し、両国政府に望むことを問われると、「容易なことではないので、互いに大変だと思う」としながら、「それぞれがほんの一歩譲歩し、両国国民が少しでも暮らしやすくしてくれればとてもありがたい」と話した。
その上で、李さんが韓日友好の促進に寄与することを願っていたとしながら、「力が尽きるまで交流の現場でしっかりやっていきたい」と抱負を語った。
事故は01年1月26日午後に発生した。酒に酔ってホームから転落した男性を助けようと李さんと関根史郎さん(当時47)が線路に飛び降りたが、3人とも電車にはねられて亡くなった。
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