LG電子 20年は営業益・売上高とも過去最高=家電・TV好調
【ソウル聯合ニュース】韓国のLG電子が29日発表した2020年通期の連結決算によると、本業のもうけを示す営業利益は前年比31.1%増の3兆1950億ウォン(約2980億円)、売上高は同1.5%増の63兆2620億ウォンで、いずれも過去最高を記録した。
通年の営業利益が3兆ウォンを突破したのは今回が初めて。売上高は4年連続で60兆ウォンを上回った。
昨年10~12月期も営業利益は前年同期比538.7%増の6502億ウォン、売上高は同16.9%増の18兆7808億ウォンを記録し、同期として過去最高を達成。売上高は四半期ベースで最高となった。
LG電子の昨年の好業績をけん引したのは、主力の生活家電とテレビ部門だ。
新型コロナウイルスの感染拡大により非対面が日常化し、ペントアップ(抑制されていた)需要や外出せず家にとどまる人が増えたことなどを追い風に家電とテレビの売り上げが急増した。
特にホームクリーニング機や衣類乾燥機、食器洗い機などプレミアム家電が好調で、生活家電を手掛けるホーム・アプライアンス&エア・ソリューション(H&A)事業本部の昨年の営業利益は2兆3526億ウォン、売上高は22兆2691億ウォンでともに過去最高だった。
営業利益率も10.6%と初めて2桁台を記録した。
19年は多少不振だったテレビも、昨年10~12月期の売上高が8四半期ぶりに4兆ウォンを回復。有機EL(OLED)などプレミアムテレビを中心に売り上げが増加し、業績向上を後押しした。
売却を含めて構造調整案が検討されているスマートフォン事業担当のモバイル・コミュニケーションズ(MC)事業本部は不振が続いた一方、自動車電装事業のビークル・コンポーネンツ(VC)事業本部は下半期の自動車市場の回復により黒字転換への展望が開けた。
証券業界は、同社の21年の売上高は68兆ウォンを上回り、営業利益は4兆ウォンに迫ると予想している。
モバイル事業の売却など、構造調整も業績改善に肯定的な影響を与えるとの見方が優勢だ。
大信証券のアナリストは「スマートフォン事業部の売却で予想される売り上げ減少は電装事業の成長で相殺できる」とし、「むしろ電装とロボット、人工知能(AI)などに研究開発(R&D)費用が追加投入され、AI基盤の統合ソリューション企業という新たなアイデンティティーを生むと判断される」との見通しを示した。
ynhrm@yna.co.kr