コロナで苦境の韓国航空業界 昨年は大韓航空除き業績低迷
【ソウル聯合ニュース】新型コロナウイルス流行の影響で旅客が激減した昨年、韓国航空会社は予想外の好決算を発表した最大手の大韓航空を除き、最悪の1年を送った。
航空大手のアシアナ航空や格安航空会社(LCC)は旧正月連休(2月11~14日)を前後し2020年通期の業績を発表する予定だ。LCCのチェジュ航空は8日、そのほかの会社は16日に発表するとみられる。
大韓航空は4日に20年通期決算を発表。売上高が7兆4050億ウォン(約6970億円)、本業のもうけを示す営業利益が2383億ウォンで比較的良好な業績を収めた。売上高は前年比40%、営業利益は17%それぞれ減少したが、世界の航空各社の赤字計上が続く中で善戦したと評価されている。
一方、同じ日に20年通期決算を発表したLCCのジンエアーは08年の創業以来最大の赤字を記録した。売上高2718億ウォン、営業損失1847億ウォンを計上。売上高は70%減少し、営業損失は278%増加した。
ほかのLCCも状況はジンエアーと変わらないと予想される。アシアナ航空も赤字から抜け出せないとみられる。
大韓航空の黒字計上は旅客需要の減少が貨物運送拡大で相殺されたため。同社の旅客部門の売上高は74%減の2兆52億ウォン、貨物部門の売上高は66%増の4兆2507億ウォンだった。遊休旅客機を貨物輸送に投入し、23機の貨物機の稼働率を高めたことが貨物部門の売上高拡大につながった。
一方、売り上げの大半を旅客輸送に依存していたLCCはこれといった突破口を見いだせずにいる。
韓国のLCCは貨物機を保有していないため、ベリー(旅客機の下部貨物室)を活用した貨物輸送で付随的な売り上げを得た。
国土交通部の航空情報ポータルシステムによると、昨年のLCCの貨物輸送はチェジュ航空が3万381トン、ジンエアーが2万9905トン、ティーウェイ航空が2万4533トンだった。いずれも旅客機の運航減少の影響で貨物輸送量が前年より5割以上減少した。
ジンエアーが旅客機を貨物機に改造し、チェジュ航空、ティーウェイ航空が旅客機の客室内に貨物を搭載して輸送を始めたが、不定期路線であるため貨物部門の売上高は低調だった。
問題は今年も昨年と状況が大きく変わらない中、出口戦略がないことだ。新型コロナワクチン輸送の特需も、超低温で輸送する「コールドチェーン」などの専門輸送能力が劣るLCCには助けにならないとみられる。
国際航空運送協会は今年の旅客需要が19年の50%の水準にとどまると予想している。新型コロナワクチンの普及で免疫ができる22年に需要が回復する見通しだ。
LCCは昨年、免税品の購入が可能な国際遊覧飛行を実施し、国内線の路線を拡大したが、国内での新型コロナ感染拡大で売り上げの増加にはつながらなかった。今年、売り上げが回復しなかった場合は有償増資などの資本拡充を進めて流動性の危機に備えるとみられる。
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