Go to Contents Go to Navigation

<「三・一運動」記念式の文在寅大統領演説全文>

記事一覧 2021.03.01 13:43

【ソウル聯合ニュース】日本による植民地支配に抵抗して1919年に起きた独立運動「三・一運動」から102年を迎えた1日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は政府主催の記念式典で演説を行った。次は演説文の全文(非公式日本語翻訳)。

演説する文在寅大統領=1日、ソウル(聯合ニュース)

 尊敬する国民の皆様、

 海外同胞の皆様、

 このたびの三・一独立運動記念式典が、三・一独立運動の出発点となったこの歴史の現場で史上初めて開催される運びとなりましたことを、誠に意義深く存じ、深い感慨を覚える次第でございます。

 まさに102年前の今日、ここタプコル公園において、民族の再建と飛躍がその始まりを告げました。

 天道教、キリスト教、仏教が宗教の垣根を越えて一丸となり、学生たちが民族大連合の先頭に立ちました。

 1919年3月1日午後2時、1人の青年が八角亭に上り、独立宣言書を朗読しました。

 朗読が終わるや、万歳を叫ぶ声が天を轟かせました。

 世界最大の非暴力運動、三・一独立運動が産声をあげた瞬間でした。

 タプコル公園から始まった自由と独立への叫びによって、平凡な民衆は民主共和国の国民に生まれ変わり、正義と平和、人道主義を求める叫びは、植民地の民衆の心をひとつにする統合の歓声となりました。

 三・一独立運動は植民地支配による収奪から民族の暮らしを再建させるため、全国民が力を合わせて行った運動でした。

 三・一独立運動によって、われわれは植民地支配克服の原動力を確保し、民族の飛躍に向けた第一歩を踏み出すことができました。

 逆境を乗り越え、大韓民国の歴史を新しく塗り変えられたわれわれの誇るべき先達に対し、深い尊敬の念を表します。

 国民の皆様、

 100年という長い歳月が流れましたが、共に国難に立ち向かうわれわれ国民の献身と底力は、今なお変わるところがございません。

 われわれは、昨年に始まり、今なお続く新型コロナウイルス感染症の脅威に屈することはありませんでした。

 ここ1年間、国民の皆様は防疫の主体となって大韓民国を守ってくださいました。

 防疫作業員や医療従事者の皆様は、職業的責任感をも超える驚くべき献身と犠牲の姿勢を示されました。

 三・一独立運動の前年、日帝による強制統治と収奪に苛まれた1918年にも、新種の感染症、スペイン・インフルエンザがわれわれ民衆に襲い掛かりました。

 当時の人口の4割を超える755万人もの患者が発生し、14万人以上が命を落としました。

 コレラもやはり「死」を意味していました。

 致死率は65%に達し、1920年だけでも1万3500人以上の人々の命が失われました。

 日帝は植民地の民衆を伝染病から守れませんでした。

 防疫と衛生を口実に、強制的な国勢調査や例外なき隔離措置が頻発され、1920年当時は、医師1人当たりが請け負わねばならない人口が1万7000人にも上っていました。

 こうした過酷な医療環境の中、医学生たちは三・一独立運動に最も積極的に参加しました。

 京城医学専門学校やセブランス医学専門学校の学生たちがタプコル公園の万歳運動を主導し、セブランス病院の看護師やセブランス医学専門学校の看護部学生も包帯を手に街に飛び出し、万歳運動に参加しました。

 逮捕者のうち最も多かったのは、京城医学専門学校の学生たちでした。

 家族と隣人、そして共同体の命を守り抜いた存在は、三・一独立運動によって目覚めたわれわれ国民自身でした。

 大韓民国臨時政府が発足するや、医療従事者たちは独立運動で弾圧を受けている民族の救護活動を行うべく、上海で大韓赤十字会を立ち上げる一方で、1920年には「赤十字看護員養成所」を設立し、独立軍を治療する看護師の育成に取り組みました。

 コレラが流行し始めると、全国各地の青年や学生たちは青年防疫団を組織し、無料予防接種や消毒などの防疫活動を行い、多大な評価を受けました。

 ソウルでは計13洞、3000以上の世帯が連合自衛団を結成し、コレラに立ち向かいました。

 孝子洞(ヒョジャドン)をはじめとする市内8洞の住民は、伝染病院設立に向けた組合を立ち上げ、1920年9月4日、ついに初の私立伝染病隔離病院、「孝子洞避病院」が設立されました。

 朝鮮人が創設した病院で、朝鮮人医師と看護師、漢方医が全力を尽くして患者の治療にあたったのです。

 今日のコロナ禍状況の観点から見ますと、自力で患者の治療に力を尽くし、自力で医療システム整備に取り組んだ先達の努力には、大きく心を動かされます。

 コロナ禍に打ち勝っている今日のわれわれの力が、100年前のわが国の医療人による献身と犠牲から生まれたことを思うと、誇らしさで胸がいっぱいになります。

 国民の皆様、

 100年が過ぎた今現在、韓国は世界有数の保健医療システムを誇っております。

 低所得層は、年間80万ウォン(約7万6000円)以下の自己負担額で健康保険適用内の治療をいつでも受けられます。

 重症疾患治療の保険適用率も80%まで向上しました。

 韓国の医療は、大腸がんや胃がんをはじめとする各種のがんや脳卒中治療において、世界でもトップレベルの評価を受けており、期待寿命と乳児死亡率、がん患者生存率などの主要指標はOECD加盟国の中で上位に入っております。

 こうした目覚ましい発展を遂げた保健医療システムとバイオ医薬品生産能力がK-防疫の基盤となったのです。

 100年経った今でも変わらないものがもう一つあります。

 互いに労り合い、支え合う「包容」と「共生」の心です。

 こうした心こそが、いかなる危機をも克服してきたわれわれ国民の力であります。

 われわれは国民の力によって多くの危機と逆境を克服してきただけでなく、今現在もコロナ禍の危機を乗り越えようとしています。

 三・一独立運動の先駆けとなったのは民族の指導者たちでしたが、いかなる弾圧にも屈せず、全国的な万歳運動にまで発展させたのは、ごく平凡な普通の人々でした。

 今日、他の人たちのために毎朝マスクを着用する国民の日常とソーシャルディスタンスを実践する国民の心の奥深くにも、国難克服を目指し一丸となった三・一独立運動の精神が息づいていると思います。

 隣人のために忍耐強く献身してこられた国民の皆様と、今この瞬間も、隔離病棟で働いている医療従事者の皆様のご努力により、コロナ禍との長きにわたる戦いも、ようやく終わりが見え始めてきました。

 十分なワクチン量と特殊注射器が確保され、計画通り滞りなく接種が行われています。

 政府は最後まで防疫に最善の努力を払い、国民お一人お一人が新型コロナウイルスから安全に守られるまでワクチン接種に万全を期し、次の冬が訪れ11月までに集団免疫を形成できるように努めてまいります。

 新型コロナウイルス感染症の防疫において、政府が一貫して堅持してきた第一の原則は、透明性であります。政府は防疫に必要なあらゆる情報の開示を常に透明に行ってまいりました。

 ワクチン接種においても同様であります。

 ワクチン接種の戦略とワクチン量の確保、接種計画や接種状況を透明に公開しており、国際基準に常時従っています。

 国民の皆様には、ワクチンへの不信感を煽るフェイクニュースに対して警戒されるとともに、ワクチン接種への積極的なご協力をお願い申し上げます。

 尊敬する国民の皆様、

 海外同胞の皆様、

 1946年の解放後、初めて開かれた三・一節記念式典において、臨時政府の国務委員を務められた趙素昂(チョ・ソアン)先生は、「わが同胞を自由民にし、政治的権利を持たせ、衣食住の心配がない、真の光復を実現する」と宣言されました。

 大韓民国臨時政府は建国理念として、われわれ自身に力があって初めて、個人と個人、民族と民族、国と国同士の平等な発展が可能であるといった「三均主義」を打ち出しました。

 素朴ながらも遠大な夢でありましたが、われわれはこの夢の上に、驚くべき成果を築き上げました。

 世界最貧国から世界トップ10に迫る経済成長を果たしたほか、世界第7位の輸出大国へと発展し、1人当たり国民所得3万ドル時代の幕を開けました。

 半導体、スマートフォン、ディスプレーなど、韓国の先端IT製品が世界トップのシェアを誇る時代を迎えました。

 世界初の5G商用化に続いて、電気自動車や水素自動車など、環境にやさしい未来の自動車の分野も牽引しています。

 素材・部品・装備(装置や設備)産業の自立化が進められ、システムLSIやバイオ産業も著しい成長速度を示しています。

 青年層の高等教育履修率も経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も高い数値となっています。

 絶えず学び続け、知識を身につけてきた韓国国民の底力こそ、経済成長の原動力でありました。

 われわれは成熟した民主主義の力を発揮し、コロナ禍の危機の中、防疫と経済の模範を示し、「K-防疫」の成果と経験を世界と共有しております。

 途上国や保健システムが脆弱な国への支援も拡大しております。

 100年前、「パリ平和会議」の参加さえ叶わなかったわれわれが、今や主要7カ国(G7)首脳会議から招請を受けるような堂々たる国に発展したのです。

 今年のG7サミット参加を機に、われわれが築き上げた政治、経済、社会、文化のあらゆる成果の下、「先導国家、大韓民国号」を出発させる確かな道標を示してまいります。

 われわれは国際社会と協力する中で成長し続けてきました。

 そして今後とも、世界とともに回復し、飛躍を遂げていくことでしょう。

 100年前、われわれの先達はこの場において、人類平等の大義名分とともに、独立宣言の目的が、日本への憎しみや排斥にあるのではなく、国家間の関係を立て直して東洋平和と世界平和を実現することにあると公表し、非暴力平和運動を宣言しました。

 われわれは、100年前の先達から国家間の互恵平等と平和を目指す精神を受け継いでおります。

 100年が過ぎた今、われわれはコロナ禍に立ち向かいながら、連帯と協力、多国主義と包容の精神がいかに重要であるかを改めて痛感しています。

 われわれは力が支配する一方的な世界秩序の中で、植民主義と戦争により、人類すべてが不幸になる時代を潜り抜けてきました。

 われわれは、グローバル・サプライチェーンを維持するためには、国際的な連帯と協力の精神がいかに重要であるかを自覚し、ワクチンの早期開発のためには世界各国の協力が不可欠であること、また世界中で集団免疫を形成するためには途上国とワクチンを公平に配分すべきであることも認識しています。

 今や世界は、共存と新たな繁栄に向けて連帯と協力、多国主義の精神を復活させるべき時期に来ています。

 コロナ禍克服はもとより、気候変動対応などの地球規模の課題に対し、多国主義に基づいた解決策を模索しなければなりません。

 今やわれわれは、多国主義に基づく連帯と協力を先導し得る力量をも有しております。

 昨年12月、われわれはアメリカ、中国、ロシア、モンゴルとともに「北東アジア防疫・保健協力体」を発足させました。

 日本も参加を検討しており、さらには北朝鮮の参加も期待しております。

 われわれは最も積極的に参加国と協力していく考えです。

 新型コロナウイルス感染症のような新種の感染症や家畜伝染病の国境を越えた感染拡大は、もはや一国だけでなく、多国主義的な協力によってのみ効果的な対応が可能な問題であります。

 韓半島の非核化と恒久的平和に向けた努力も変わりなく続けてまいります。

 戦争不容認、相互の安全保障、共同繁栄という3大原則に基づき、南北関係を発展させてまいります。

 国民の生命と安全を守るための「北東アジア防疫・保健協力体」への参加を手始めに、北朝鮮が域内諸国と協力し、交流するようになれることを望んでおります。

 韓半島ならびに東アジアに共生と平和の道を切り拓く力となってくれることでしょう。

 国民の皆様、

 日本とわれわれの間にはかつて不幸な歴史がありました。

 本日はその不幸な歴史の中の最も劇的であった瞬間に思いを馳せる日でございます。

 われわれはその歴史を忘れることはできません。

 加害者は忘れられても、被害者は忘れられないものであります。

 しかしながら、100年を経た今現在、韓日両国は、経済、文化、人的交流など、あらゆる分野においてお互いにとって非常に重要な隣国になりました。

 過去数十年間、韓日両国は一種の分業構造を基盤に、競争力を高め合ってきました。

 韓国の成長は日本の発展を支え、日本の成長は韓国の発展を支えました。

 それは今後も同様であることでしょう。

 われわれが乗り越えなければならない唯一の障害は、時折、過去の問題と未来の問題とを切り離せず、混在させてしまうことで、未来の発展に支障をもたらしていることです。

 われわれは過去の歴史を直視し、そこから教訓を得なければなりません。

 過去の過ちから教訓を得ることは、決して恥ずべきことではなく、むしろ国際社会からの尊重につながる道であります。

 韓国は、かつて植民地であったという恥辱の歴史と同じ民族同士で戦争を行ったという痛ましい歴史を決して忘れず、教訓を得るべく努力しております。

 しかし、過去にばかり捕らわれているわけにはいきません。

 過去の問題は過去の問題として解決していく一方で、未来志向的な発展に一層力を注がなければなりません。

 韓国政府は常に被害者中心主義の立場から、賢明な解決策を模索してまいります。

 被害者の名誉と尊厳回復に向けても最善を尽くす所存でございます。

 他方で、韓日両国の協力と未来発展に向けた努力も止まることなく行ってまいります。

 両国の協力は何よりもまず、両国双方に利するものであり、北東アジアの安定と共同繁栄にも貢献し、韓米日三カ国の協力にも資するはずであると考えます。

 ましてや今は、コロナ禍の危機を共に克服し、ポストコロナ時代を共に準備していくべき時期であります。

 隣国間の協力がこれほど重要な時期は、これまでになかったことを強調したいと思います。

 三・一独立運動宣言書では、日本に対し、勇を鼓し、賢明に過去の過ちを正し、真の理解に基づき、友好的な新しい関係を築いていこうと提案しています。

 そうしたわれわれの精神は、今もなお変わることなく保たれております。

 韓国政府はいつでも日本政府と向き合い、対話する準備ができております。

 相手の立場から考える「易地思之」の精神に基づいて膝を交えれば、過去の問題もいくらでも賢明に解決できると確信しております。

 韓日両国は過去と未来を同時に見据えながら共に歩んでいます。

 本年開催される東京オリンピック・パラリンピックは、韓日間、南北間、日朝間、そして米朝間の対話の機会にもなり得るものと考えます。

 韓国は東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けて協力してまいります。

 そして、ひいては韓日両国が、コロナ禍によって打撃を受けた経済を回復させ、一層堅固な協力を進めながら、ポストコロナ時代に向けた新たな秩序を共に築いていくことを願っております。

 国民の皆様、

 独立有功者並びにご遺族の皆様、現在、ご存命でおられる独立有功者は24名に過ぎません。

 どなたも、90歳をとうに超えておられます。

 独立有功者の皆様は民族の運命を一身に背負ってこられた方々であるだけに、独立有功者の皆様に名誉ある安楽な生活を送っていただくことは、政府の負ういわば無限責任でございます。

 政府は昨年、独立有功者の皆様のために、訪問在宅福祉サービス特別機動班を派遣しました。

 独立有功者とご遺族の、計4万4000以上の世帯に新型コロナウイルス感染症緊急救護用品を提供するとともに、身体が不自由な方々の通院に付き添いました。

 海外にお住いの独立有功者とその子孫の方々にもマスクなどの防疫用品を支援しました。

 政府は今月から、独立有功者のご自宅を直接訪問する韓方主治医制度を実施する予定です。

 12月からは独立有功者をはじめとする国家有功者の方々に「自動運転スマート車いす」を支給し、「人工網膜」、「スマート補聴器」の開発にも本格的に取り組む計画です。

 政府はこれまで、独立有功者の審査基準を改善し、過去最大規模の独立有功者の発掘・報奨を行ってまいりました。

 今後も、独立運動の史料収集の強化に加え、公的審査の基準を更に改善し、報奨の対象を拡大していく考えです。

 かつて三・一独立運動の主役であった学生たちは、その後も、1926年の6・10万歳運動、1929年の光州学生独立運動を繰り広げるなど、三・一独立運動の精神を脈々と受け継いでおります。

 政府は昨年、6・10万歳運動の日を国家記念日とし、今年度からは政府主管行事として記念式典を行うことになりました。

 三・一独立運動、光州学生独立運動とともに、「3大独立運動」がすべて国家記念日として定められたわけで、それは誠に意義深いことであります。

 臨時政府要人の帰国日に当たる本年11月23日、国立大韓民国臨時政府記念館がいよいよ開館いたします。

 命を懸けた武装闘争と義烈活動、必死の思いで続けた外交戦から、ついに果たした光復軍の左右合作や国内進攻作戦の準備に至るまで、大韓民国臨時政府27年間の偉大な道程の記憶を鮮明に呼び起こすものになることでしょう。

 韓国の独立運動の歴史が、これからの世代にとって大きな矜持と誇りになるよう願ってやみません。

 尊敬する国民の皆様、

 海外同胞の皆様、

 三・一独立運動以降のわれわれの100年は、植民地支配、分断と戦争、貧困と独裁を克服してきた100年でありました。

 人類普遍の価値である自由と平和、正義と人道主義に向かって前進してきた100年でありました。

 われわれは今、三・一独立運動の精神と民主主義、包容と革新の力で新しい道を切り拓いており、世界はわれわれの足取りに注目しています。

 われわれは連帯と協力の力をもって、大切な日常を回復していくでしょう。

 また、人道主義と多国主義、共生と包容の精神に立って、国際秩序を先導する国になるでしょう。

 ここ、タプコル公園には、危機と逆境の中で歴史の大逆転を果たした先達の精神が今なお生き続けており、われわれは、それら先達の記憶を胸に、さらに前進してまいります。

 皆が心をひとつにすれば、われわれはより強くなれます。

 さらに高く飛躍してまいりましょう。

 ご清聴ありがとうございました。

注目キーワード
スクラップの多い記事
more
more
ホーム ページのトップへ
情報をお寄せください
聯合ニュース日本語版では、イベントの開催告知、取材案内、韓国関連企業のプレスリリースなどの情報をお待ちしております。お寄せいただいた情報は、担当者が検討の上、ご紹介させていただきます。
お問い合わせ
聯合ニュース日本語版に関する記事やコンテンツ使用などについてのお問い合わせは( japanese@yna.co.kr )へ。 イベントなどの開催告知、取材要請、韓国関連企業のプレスリリースなどの情報も同メールアドレスで受け付けています。お寄せいただいた情報は、担当者が検討の上、ご紹介させていただきます。