難航の在韓米軍駐留費交渉が妥結 バイデン政権発足で急進展
【ソウル聯合ニュース】在韓米軍駐留経費の韓国側負担を決める韓国と米国の交渉が、協議入りから1年半を経てついに妥結した。駐留経費問題は一時は韓米同盟の障害になっていたが、同盟国を重視するバイデン米政権の発足から2カ月弱で決着がついた。交渉妥結を機に、韓米間の同盟が強化に向かうとの見方が多い。
韓国外交部は10日、韓米は駐留経費負担に関する特別協定(SMA)締結のための9回目の協議を5~7日に米ワシントンで行い、最終妥結したと発表した。SMAは2019年末から期限切れとなっており、協定の空白は1年3カ月にしてようやく解消されることになった。
2020年以降の駐留経費負担を定める新たなSMAを巡る交渉は、紆余曲折(うよきょくせつ)の連続だった。
韓米はトランプ政権時の19年9月に初協議を開いて以来、この1年半の間に計9回の公式協議を行った。交渉チームは電話や電子メール、テレビ会議システムなども使いながら議論を重ねた。
合意にかなり近づいたこともあった。両国は20年3月、20年の韓国側負担額を19年の1兆389億ウォン(約990億円)から約13%引き上げる案に暫定合意した。だが、韓国に5倍の負担を要求した当時のトランプ大統領が拒否したため、最終合意に至らなかった。
その後、引き上げ幅を巡り両国の立場は平行線をたどった。トランプ氏が同盟国の「安全保障ただ乗り論」を繰り返し主張し、駐留経費交渉と在韓米軍削減をリンクさせる可能性を示唆したことで、韓米間に不協和音も生じた。
停滞していた交渉は、今年1月にバイデン政権が発足すると急進展をみせた。同政権発足直後の先月5日にテレビ会議形式で8回目の協議が開かれ、1カ月後の今月5~7日にはワシントンで対面の協議が開催された。バイデン大統領は、大統領選前から過剰な負担増を迫ることは同盟関係を損なうと強調しており、こうしたスタンスが交渉を後押しした。
バイデン政権の発足から2カ月足らずでの駐留経費交渉妥結は、韓米同盟強化の起爆剤になると見込まれている。米国は日本とも先月、在日米軍駐留経費の日本側負担を定める特別協定について、期限の1年間延長で合意した。
バイデン政権が発足後すぐに韓国、日本との駐留経費交渉にけりをつけたことは、前政権時にぎくしゃくした同盟関係の立て直しへの意欲の表れとみられる。
米国のブリンケン国務長官、オースティン国防長官は今月15~17日に訪日した後、1泊2日の日程で韓国を訪れる方向で調整しており、訪韓に合わせて韓国との合意文への署名が行われる可能性もある。
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