ロシア外相がインド太平洋戦略を批判 韓国の参加を警戒
【モスクワ聯合ニュース】ロシアのラブロフ外相が中国けん制を念頭に置いた米国のインド太平洋戦略を強く批判し、韓国の参加を警戒した。
ラブロフ氏は23日の韓国訪問を前に、モスクワで19日(現地時間)に行った韓国特派員とのオンラインインタビューで、今回の訪問での韓国側との会談の主要議題に関する質問に対し「アジア太平洋地域で、韓国はロシアの非常に重要で展望あるパートナーだ。アジア太平洋地域の問題も協議する」と答えた。
現在、アジア太平洋地域を再編しようとする試みがあり、インド太平洋地域という用語が導入されたとした上で、「この過程の意味は非常に憂慮される」と指摘した。東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心とした構造に対峙(たいじ)する何かを作ろうとする試みが行われていると述べ、否定的な立場を示した。
ラブロフ氏は「インド太平洋戦略の枠内で取られる措置を注意深くみると、それらはブロック化の思考に基づいており、ある肯定的な過程ではなく特定の国々に反対するためのブロックを構築しようとしている。特定国家の抑制が目標として宣言されている」と批判し、同戦略が中国、ひいては中国と戦略的協力関係にあるロシアを狙っていることを指摘した。
また、ロシアは全ての分野にわたるアジア太平洋地域の協力と発展の過程でASEANの中心的役割の維持に関心があると主張した。インド太平洋戦略や、米国、日本、オーストラリア、インドの4カ国による枠組み「クアッド」の拡大に反対の立場を明確にし、ASEANがアジア太平洋地域の中心的な協力体として残るべきだと強調したものとみられる。韓国滞在中にこれらに関する問題を協議すると述べたのも、韓国がインド太平洋戦略やクアッドに深く関わることに対し懸念する立場を伝える考えであることを予告したと受け止められる。
ラブロフ氏は韓国側との会談で、朝鮮半島情勢を含む国際社会や地域の懸案も協議すると述べた。その上で、「ロシアは朝鮮半島の安定的な情勢維持と非核化の課題解決に向けて全ての努力を傾けており、全ての関連国、何よりも6カ国協議の参加国に対し建設的な態度を示すよう訴えている」と語った。特に軍事分野で好戦的な行動を自制し、対話推進を支持するよう求めているとし、関連国に対し「対話以外の代案は見当たらない。速やかに対話を再開すべきだ」と促した。
このほか、新型コロナウイルス対応での協力も会談の主要議題になるとし、両国の経済協力の拡大に向けた医療・造船・輸送・エネルギーなど九つの分野の協力事業構想「9ブリッジプロジェクト」の履行にも大きな期待を示した。
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