慰安婦論文の米大学教授 問題提起した研究者に脅迫めいたメール
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2021.05.06 10:23
【ニューヨーク聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦を「売春婦」と見なす論文の発表を発端に過去の論文も波紋を広げている米ハーバード大ロースクールのジョン・マーク・ラムザイヤー教授が、自身の論文の問題点を指摘した韓国系教授に脅迫とも受け取れるような電子メールを送っていたことが分かった。
イースタンイリノイ大のイ・ジンヒ教授(史学科)は5日(現地時間)、先ごろラムザイヤー氏から「野蛮な名誉毀損(きそん)の攻撃を中断せよ」と要求するメールを受け取ったと明かした。
ハーバード大の研究員でもあるイ氏は、慰安婦に関するラムザイヤー氏の論文に接して懸念を感じ、同氏が書いた別の論文についても内容の確認を進めた。その過程で、ラムザイヤー氏が1923年の関東大震災時の日本人による朝鮮人虐殺を否定したり、在日コリアンなど日本国内のマイノリティー(少数派)に対し差別的な認識を示したりしたことを知った。
イ氏は各国の専門家とともに、問題の論文を掲載した学術各誌に対し研究・出版倫理上の問題点を示した上で論文の再審査と掲載撤回を要求した。これを受け、ドイツのある出版社は在日コリアン差別を正当化する内容の論文に対する調査に着手した。英ケンブリッジ大出版局は、朝鮮人虐殺に関する論文のうち問題になった部分を全面的に修正するようラムザイヤー氏に求めた。
ラムザイヤー氏はイ氏へのメールで、イ氏が学術誌に問題提起したために自身の論文の出版が遅れたことに怒りをあらわにした。名誉毀損にどう対応するかを考えているとしながら、同メールは「警告」だと強調したという。
ラムザイヤー氏の論文を検証したり問題提起したりした研究者の中には、日本の右翼勢力から殺害予告などの脅迫を受けた人もいる。
mgk1202@yna.co.kr